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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「開幕戦の対戦 昨年からの伏線」

 

昨年、6月30日に東京ドームで阪神近本光司が、巨人戸郷翔征から放った先頭打者弾は、昨季に“イメージの外側”で結果が伴った唯一の一打だ[写真=桜井ひとし]


好調を知るためのイメージの中と外


 東京ドームの開幕戦。

 ジャイアンツは初めての開幕投手となる戸郷翔征をマウンドへ送り出した。バッターボックスにはタイガースのトップバッター、昨秋の日本シリーズでMVPを獲得した近本光司が入る。結果は低めのフォークを打ち上げてショートフライ。近本への戸郷の7球はストレートも変化球も低めにコントロールされていた。

 今年の開幕戦は、この2人の対決を興味深く見ていた。2人の対戦には昨年からの伏線があったからだ。ちなみに2人は今年の那覇でのオープン戦でも対戦、戸郷の外角高めのストレートを近本が芯で捉えて、レフト前ヒットを打っている。

 じつはこの春、近本から興味深い話を聞いた。独特の感性を持つ近本に、今のバッティングが良いとか悪いとか、そのときの状態をどういう基準で判断するのかと訊いてみたら、彼はこう言ったのだ。

「自分のイメージがあって、バッティングがその中にあるときはいい状態だと判断します。でも逆にイメージの外にあるとき……これもまた、いい状態なんですよね」

 イメージの中にあるときがいい状態だというのは分かるが、イメージの外にあるときもいい状態だというのは、いかにも近本ならではの表現だ。それはいったい、どういうことなのか・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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