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綱島理友のサブカルノート

ベースボール百科 野球グラブの進化とあこがれのローリングス

 

イラスト=イワヰマサタカ


 現在の円安なんて比較にならない1ドル360円だった1960年代。野球グラブの最高峰はアメリカのローリングスだった。メイドインUSAが舶来品と呼ばれ、光り輝いていた時代だ。私が人生で一番最初にあこがれたブランド品でもある。しかし当時、子どもだった私にはとても手に入れられるものではなかった。

 野球史の中で初めてグラブを使った選手は、シンシナティ・レッドストッキングスの捕手ダグ・アリソンだと言われている。19世紀、初のプロ・チームとして1869年から全米遠征を行い、翌70年にかけて81連勝したチームの捕手だ。この時代はまだ投手は下手投げで、捕手は素手でワンバウンド捕球した。しかしアリソンは盗塁阻止のため打者に近づきノーバウンドで捕球する。そのためファウルチップの鋭い打球が体に当たり生傷が絶えなかった。特に突き指が多く、これを防ぐため馬鞍職人にペアのバクスキンのミトン(親指と4本指をひとまとめの手袋、ミットの語源)を作ってもらった。

 だが19世紀のマッチョな野球界では防具は男らしくないとされ・・・

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