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堀内恒夫の悪太郎の遺言状

堀内恒夫コラム 第21回「アメリカの『ベースボール』も日本の『野球』も素晴らしい。互いに吸収し合う段階じゃないかな」

 

巨人ではMLB出身の初のプレーヤーだったジョンソン


レジーとの友情


 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、外国人の新規入国が認められない措置がとられていたが、ここへきて動きが出てきた。巨人の新外国人選手グレゴリー・ポランコ外野手が来日し、3月25日、中日との開幕戦に間に合う可能性が浮上してきたという。彼は昨年8月までピッツバーグ・パイレーツの選手だ。

 巨人の歴史の中でMLB出身の外国人野手を初めて招き入れたのは長嶋(長嶋茂雄)さんである。長嶋さんが監督就任1年目の1975年のこと。巨人V9時代の主軸であったONのN、つまり自分が引退したあとのチームを心配してのことだ。来日したのはデービー・ジョンソン。それを知ったときはビックリしたよ。MLBで新人王を獲得。二塁手として本塁打のメジャー記録もあるはずだ。ゴールドグラブ賞はもちろん、オールスター・ゲームにも選出され、ワールド・シリーズ優勝にも貢献した選手。その選手が日本の野球をやるという。彼の晩年ということもあっただろうし、長嶋さんと仲が良かったこともあっただろう。とは言え、MLBで輝かしい実績を持つ選手がチームに加わるなんて想像もしていなかった。

 巨人はV9時代でさえも自前の選手で勝ってきたチームだからね。そのジョンソンでさえも、1年目は打てなくて叩かれた。守りも慣れないサードだったしね。でも2年目にセカンドに戻ってからはバッティングもよくなったし、守備もすごかった。打たなくてもいい。グラブを持ってセカンドにいてくれるだけで、俺は助かったよ。人間的にも素晴らしく、日本の野球や環境にも合わせる姿が印象的だった。そう考えると、ロイ・ホワイトレジー・スミスの顔も浮かぶ。レジー・スミスは、巨人に入団する前、ドジャースのころから一緒に食事をする仲だった。

「もし、どちらかがチームの監督になるようなことがあったら、どちらかをコーチとして呼ぼうな」

 そんな夢を語り合っていた。俺・・・

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堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

堀内恒夫の悪太郎の一刀両断!

「悪太郎」こと巨人V9のエース、堀内恒夫氏の連載コラム。野球人生の集大成。

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