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REAL VOICE 2023の決意と覚悟

ロッテ・小島和哉インタビュー「毎年、何かを変えなくちゃ」

 

昨年はリーグ6位の防御率3.14。それなのに、大幅に負け越す3勝11敗という不思議な成績だったが、見ている人は見ている。吉井理人新監督から開幕投手に指名された小島和哉は、2023年を自己ベストのシーズンにしようと、開幕を前に意気込んでいる。
取材・文=落合修一 写真=高塩隆

ロッテ・小島和哉


初の開幕投手に決定


 3月31日に迫ったソフトバンクとの開幕戦(PayPayドーム)。ロッテは左腕・小島和哉の先発が公表されている。WBCに佐々木朗希が出場したこと、石川歩にちょっとしたアクシデントがあったことも重なった結果とはいえ、小島にとってプロ5年目で初めての開幕投手。開幕戦は143分の1に過ぎないという考え方も、とても特別な試合だという考え方もある。

「僕自身は、とても光栄なことだと思っています。毎年12人しかいないことですから」と小島は胸を張る。

「去年、あまり勝てなかったのに、開幕投手に選んでいただいた。自分なんかで大丈夫かなという不安もありつつ、それでも、やっぱりうれしいですよ。ソフトバンクとはあまり対戦の機会が多くなかったのですが、一応今までの対戦データとかも出してもらっていて、ちょっとずつ分析をしています。そういう準備はしていますよ。こうやって、特定の日に投げることを1カ月くらい前から準備するってことは、プロになるとなかなかないですよね。逆算というのも結構難しいというか、調子を先に上げ過ぎてもいけないし……。開幕投手に決まってからはオープン戦も毎週金曜にきっちりと先発をさせてもらって、そこはやりやすくさせてもらっています」

 昨年の成績は3勝11敗。一昨年の10勝4敗と比べるとかなり負け越したが、防御率は3.76から3.14と逆に上昇した。勝敗だけ見ると負けが込んだシーズンだったが、内容はそこまで悪くなかったとも言えるだろう。防御率は投球回数と自責点の割合だが、勝敗は試合における巡り合わせ、援護のタイミングの不運さもある。

「去年は結構苦しいシーズンでした。その中で、苦しいなりにも頑張れたシーズンでもありました。去年は巡回投手コーチだった吉井(理人監督)さんは、僕が勝てないときでもずっとLINEをこまめにくださっていて、『見ている人は見ているからな』とずっと伝えてくださっていたんです。そのときは翌年に監督になるなんて当然思っていなかったのですが、その吉井さんが監督になったことで、去年もいろいろと見てもらった結果、(開幕投手に)選んでもらえたわけです。去年の内容を見てもらった上で僕を開幕投手に選んでくれたのは、すごくありがたいんです。今年はもう、命を削ってでもしっかり1年間投げるっていう、それくらいの気持ちでいます」

 開幕直前にWBCがあり、そこに佐々木朗が参加するのは最初から分かっていたこと。だからロッテの開幕投手は、今年は石川が最有力候補と思われていた。石川は昨年までの4年間で3回、開幕投手の実績がある。

「そうですね。僕自身は裏ローテといいますか、ソフトバンク3連戦ではなくマリンに帰ってきてからの試合(4月4〜6日)の先発を言われていて、実際にそこから逆算して、与えられた場所で頑張るぞと思いながら準備をしていたんです」

 そこを、石川にアクシデントが襲う。重傷ではないが右腕のコンディション不良が明らかになり、念のために開幕投手を回避することになった。2月下旬のことである。そのときすでに吉井監督は投手コーチを兼務する侍ジャパンのためにロッテのキャンプを離れていたが・・・

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