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スカウト物語

オリックススカウト・乾絵美 見ることよりも感じること「彼らが野球人生を終えるまで、私たちスカウトは、ずっと担当であり、一番のファンなんです」

 

“サードキャリア”は未知の世界に飛び込んだ。ソフトボール女子日本代表として、2008年の北京五輪で上野由岐子の女房役として金メダル獲得に貢献。10年からオリックスの球団職員となり、野球・ソフトボールの普及活動を行ってきたが、20年に球界初となる女性スカウトに転身した。視察を重ねる中で、気づかされる1つの思いがある。
取材・構成=鶴田成秀

スカウト1年目の2020年ドラフトでは、オリックスJr.でコーチと選手の間柄だった来田涼斗[写真右]を担当し、3位で指名した[写真=球団提供]


始まりは不意に


 現役引退後、野球、ソフトボールの素晴らしさを伝えるべく、オリックスの球団職員として普及活動を行う日々。だが、仕事の転換期は不意に訪れる。戸惑う思いを拭い去ったのは、かつての恩師の言葉だった。

 きっと、ソフトボール教室でも頼まれるんだろうな。最初は、そんな軽い気持ちでいたんです。

 所属していた部署・コミュニティグループの先輩から「牧田さん(牧田勝吾・編成副部長)が連絡を取りたいって言っているから、連絡してみて」と言われたのは2019年の12月のこと。連絡先を聞き牧田さんに電話をすると、「会って話がしたい」と言われ、後日、球団事務所で会う約束をしたんです。でも、前日の夜に牧田さんからの着信があり「明日、いきなり言ったら驚かれると思うので」と伝えられました。

「一緒にスカウトをやりませんか」

 頭の中は“?”。もちろんすぐに返事はできず、翌日に福良淳一GM、山口和男グループ長を交えてお話をさせていただきましたが「一度、持ち帰らせていただきます」と、その日も返事はできませんでした。

 私に務まるのだろうか……。ソフトボールをプレーしていたとはいえ、野球も、プロ野球界も、アマチュア野球界も未知の世界。女性のスカウトだって前例がないわけです。すべてにおいて未知の世界は“不安”という表現を大きく超えていました。

 1人で考えても答えは出ない。意見を求めるため、ソフトボールの恩師である宇津木妙子さん(アテネ五輪・日本代表監督)、宇津木麗華さん(東京五輪・日本代表監督)に電話しました。返ってきた答えは・・・

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“金の卵”を探し、獲得するのがスカウトの仕事。新旧スカウトらに話を聞く連載。

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