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近本光司の認知を超える

近本光司コラム 第14回 開幕第1打席の初球は?「個人的な状態としては、(開幕戦での安打で)満足に近いスタートが切れた」

 

開幕からまさかの2連敗でスタートした阪神。自身も実はプロ5年間で開幕戦ではいい結果を残せていない。そこで今回はキャンプからの試みを紹介しつつ、開幕戦での特に第1打席に焦点を当ててコラムを展開していく。2024年最初の打席をどのように迎えたのだろうか。
写真=BBM

今年も打撃フォームには大きな変化はないですが、いかにこの写真のようなトップがつくれるかに結果も起因します。両腕の位置が今までより少し低いのは上げ方に変化があったからです[写真=高塩隆]


自分を俯瞰で見る


 2024年が開幕しました。この感覚を味わうのは6度目。ここまでの流れもプロとして6年目なので、ある程度慣れた感じで、開幕がやってきたな、と。オフが終わり、自主トレ、キャンプ、オープン戦という時間が過ぎ、体も気持ちも、「(開幕が)来たな」と。

 このコラム、実際には開幕前に書き始めました。打撃に関してキャンプから3つのことを取り入れて、実戦に生かしています。キャンプ中にあるアプリを購入しました。打撃ケージの横に、携帯をセットして、そのアプリで自分の打撃フォームを撮ります。そうすると5秒後に、直前に打った打撃が再生されるようになっています。

 このアプリで毎打ごとに自分の打撃フォームを確認。自分の感覚と、実際の映像を重ねてみて、何が違うのかを見ていく作業を繰り返していました。これをやることで、より客観視して自分の打撃を見られるようになりました。冷静に、打撃のときの自分の感情と感覚を振り返ることができるんです。

 2つ目の試みは、自分を俯瞰(ふかん)して見ることを心掛けています。西宮市内の廣田神社にチームで参拝をしたときも、宮司さんの気持ちになってみたんです(笑)。どんな気持ちで、僕たち阪神の選手たちを見ているのか、どういう気持ちで、話をしているのか、その立場になってみる、という感覚です。試合中に俯瞰して力むことなくプレーできるように訓練しているような感じです。

スムーズにトップへ


 最後は打撃で、トップをつくるときの右手の動きについてです。打撃はいかにトップの型を早く安定してつくれるかだと思います。それが思いどおりの型になっていると、あとはバットを振り下ろすだけで、ヒットは必然的に生まれます。

 オープン戦に入ってから、個人トレーナーといろいろと話し合っていく中で、どうしたら、スムーズかつ、ブレずにトップに持っていけるか考えていました。結論としては右腕の使い方、上げ方を変えました。それまでは右腕の上腕二頭筋と腕橈骨筋(わんとうこつきん)を意識して上げていた部分があります。腕の上の部分ですね。

 ここを意識して上げると、力が上腕に入ることで、肩も上がり、両手首にもブレが出ていたんです。それによりトップがピタッと決まらないときもありました。そこで・・・

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