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【MLB】FAで世界一を手にしたレンジャーズ このオフの日本人市場にも影響必至

 

オリックスの山本、DeNAの今永は大きな金額での移籍が噂されているが、楽天の松井の場合は未知数。どれくらいの金額になるのか、楽しみではある


 2023年はサラリー総額3億4360万ドルのメッツ、2億7865万ドルのヤンキース、2億5604万ドルのパドレスの惨敗で「お金で強いチームは買えない」という結論になったかと思いきや、サラリー総額4位2億5133万ドルのレンジャーズの世界一で、要は使い方だと風向きが変わった。

 21年に60勝102敗でMLB全体で3番目に弱かったチームが、2年越しに8億ドル(約1203億円)の補強を行ったことで一気に世界一に登り詰めた。FA市場ではコーリー・シーガー遊撃手、マーカス・セミエン二塁手、ネーサン・イオバルディ投手、ジョン・グレイ投手を獲得し、トレードではジョーダン・モントゴメリー投手を補強した。

 ジェイコブ・デグロム投手、マックス・シャーザー投手と活躍できなかったビッグネームもいるが、レイ・デイビスオーナーのサポートを受けたクリス・ヤングGMの積極的な補強が実っている。このことは、このオフのFA市場にもインパクトを与えそうだ。そして、それは日本でも大きなニュースになる。

 すでに何度も報じられているように、MLBのこのオフのFA市場の一番の目玉商品は大谷翔平選手で総額5億ドル(約750億円)の契約になると言われている。それに続く二番手も日本人の山本由伸投手(オリックス)で2億ドルを超えると複数の米メディアが報じている。

 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のジム・ボーデン記者は山本に対し7年総額2億1100万ドル(約319億円)と予測した。根拠はヤンキース、ドジャース、メッツ、ジャイアンツなどビッグマーケットのチームが総じて積極的だからだ。例えばジャイアンツはスター不在で、1年前もアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)を獲得し損ねた。グレッグ・ジョンソンオーナーはファーハン・ザイディ編成本部長に契約延長を与えるとともに、「他球団に金額で負けるわけにはいかない」と気合を入れていると言う。大谷と違って山本はメジャーでは未知数。むしろフィリーズのアーロン・ノラ、レンジャーズのモントゴメリー、パドレスのブレイク・スネルら、メジャーのベテランを獲得したほうが無難に思えるが、3人ともすでに30歳。25歳の山本より5歳上で、ゆえにボーデン記者は3人の契約を5年総額1億2500万ドル(約187億円)前後と、山本よりもかなり低く見積もっている。

 ほかの日本人選手については「ジ・アスレチック」のティム・ブリットン記者はDeNAの今永昇太投手の契約が4年総額5200万ドル(約78億円)になると予測。ツインズからFAになる前田健太投手は1年1000万ドル(約15億円)とした。

 もっともツインズの担当記者は「前田は他球団から好条件の複数年契約を得る」と、より高い評価をしている。リリーフ投手の楽天の松井裕樹投手については具体的な数字はまだ出ていない。参考までにメジャーのベテランFAリリーフ投手ではジョシュ・ヘイダーが3年総額6700万ドル、右腕ジョーダン・ヒックスが3年総額3000万ドルと予測されている。

 果たして松井にはどれくらいの金額がつくのか? ちなみに日本人5人分を全部合わせると、総額8億ドルに迫るのである。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images
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メジャーから発信! プロフェッショナル・アイデアの考察[文=奥田秀樹]

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