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宮城大弥の一生百錬 僕が僕であるために

宮城大弥コラム 第4回 2年目の発見と苦悩「考え過ぎて陥った悪循環。日本シリーズでは心のバランスに気が付き少しの手応えも得ましたが……」

 

8月までに11勝を挙げることができましたが、9月以降は2勝……


迷ったときこそシンプルに


 まず伝えておきたいことがあります。2年目(2021年)、開幕一軍先発ローテに入ることができた当時、こう言われることが多くあったんです。

『器用』『度胸がある』──。

 どちらも違います(笑)。僕は不器用ですし、度胸もない。2年目の僕は、マウンドで迷うことも多かったし、そもそも開き直るにも時間がかかるタイプなんです。器用だったら、カットボールやツーシームなど、もっといろんな球種を投げられますが、僕はカーブ、スライダー、チェンジアップだけ。マウンドで常に考えているのは、打たれないために、どうするか、ということです。今回は、そんな2年目を振り返ります。

 迷い、戸惑い、考え込み……。思えば、そんなシーズンだった気がします。そこで見つかった新たな発見もありました。それが「このボールでも抑えられるんだ」ということ。『このボール』とは緩いカーブです。

 シーズン初登板(3月27日の西武戦・メットライフ)で、スライダーのサインに対して投げる直前にカーブに変えて三振を奪ったシーンを取り上げられることも多いですが、咄嗟に球種を変えたのは、後にも先にもあの1球だけ。不思議と打たれる気がしたんですよね。あの奪三振が象徴するように『緩いカーブでも抑えられる』と自信を持てた。その結果、より腕を振ることができたのは確かだと思います。通用する球種が分かったことで、心の強さにつながったことが新たな発見でもあったんですよね。

 そんな前半戦は怖いくらいにうまく行き過ぎて。ポンポンと勝ち星も重ねることができました。この好結果が、知らず知らずのうちに自分にとってのプレッシャーになっていたのかもしれません。というより、後半戦に入ると・・・

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宮城大弥の一生百錬 僕が僕であるために

宮城大弥の一生百錬 僕が僕であるために

座右の銘は「一生百錬」。オリックスの若き先発左腕が振り返る野球人生とこれから――。

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