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特集・U-18侍戦士 ドラフト逸材の魅力に迫る

元巨人スカウトが見たU-18 今秋のドラフト候補たち

 

高校生のトップレベルが集まるU-18ベースボールワールドカップが終わった。今秋のドラフト候補が多数含まれる高校侍ジャパンは、見事な力を発揮したが、あらためてプロの目から彼らの評価を下してもらおう。

スカウトの視線は木製バットへの対応


 U-18ワールドカップでは今秋ドラフト候補に挙がる選手たちが多数いた。日の丸を背負い、世界の舞台を経験することで大きな財産になることは間違いないが、スカウト目線で言わせてもらえば、野手は木製バットにどれだけ対応できるのか、という点を見られることが大きい。金属バットでは甲子園で何本もホームランを打ったのに、木製では外野の頭も越えなかったり、内角球に詰まってバットが折れたりするシーンが見られる。これは練習では分からないので、今回も多くの球団のスカウトが球場に足を運び、チェックしたのだろう。

 今回のメンバーでは、勝俣翔貴(東海大菅生)が木製への対応が一番早かった。西東京大会決勝で敗れたこともあって、甲子園組よりも木製バットで打ち込んだ数が多かったことも要因に挙げられるが、確実にミートできる力を証明した。木製でホームランを打てたことで評価はさらに高くなった。外国人投手特有の手元で微妙に変化する球に対して苦労していなかった。

8月31日のチェコ戦で本塁打を放った勝俣。代表の中で木製バットへの対応が一番早かった



 一方で、対応に苦しんだのは平沢大河(仙台育英)だった。一次ラウンドでは差し込まれた打球も多く、少し時間がかかるかなと思っていた。それでも試合数をこなし、スーパーラウンドに入ったころには、きっちりとミートできていたのはさすがだった。

 打者では脚力でアピールする選手が目立った。オコエ瑠偉(関東一)はカナダ戦で驚くような走塁を披露した。投手を強襲する打球が一、二塁間を転々とする間に一気に二塁を陥れた走塁が見事だった。さらに驚いたのは、二盗を仕掛けた際に捕手からの送球が逸れたことを確認すると、スライディングすることなく二塁ベースを蹴って三塁まで進んだ。状況判断ができていないと、あのプレーは生まれない。プロでもなかなか見られない好走塁だった。九番に入った舩曳海(天理)も俊足が際立った。四死球を選んで出塁することが多く、他国にとって脅威だった。

 まだまだ伸びそうな選手は・・・

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