開幕から約1カ月半、セ・リーグのペナントレースは3強3弱の形になりつつある。まだ実戦に入る前の段階のキャンプの時点では、
巨人がぶっちぎるという予想が多かった。私もそう思っていたが、
阪神、
広島という伏兵が頑張って、リーグを大いに盛り上げている。プロ野球ファンにとっては、理想的な展開と言ってもいいのではないか。
阪神は投手の頭数が足りないうえに、目立った補強もしていなかったから、苦しいのでは? と見ていた。だが、打撃陣が予想以上の頑張りを見せている。特に、
マートン、ゴメスの両外国人選手が当たっている。マートンは実績があるから当然と言えば当然だが、ゴメスのバッティングが予想以上にいい。球団としては
スタンリッジを外してでも取ったのだから、これくらいやってもらわないと困るのだろうけれど。ゴメスはスイングの鋭さが持ち味だ。日本の投手に慣れて、これに確実性が加われば、他球団には脅威になるだろう。両外国人につられるように周りを打つ鳥谷ら日本人選手も好調で、われわれ評論家陣の予想を大きく裏切る快進撃を見せてくれている。
私が現役だったV9時代も、阪神は巨人の好敵手だった。あのころの阪神は投手力のチームだった。巨人の先発陣はV9時代の中盤くらいからは安定感があったのは私と
高橋一三さんくらいで、後はつぎはぎの状態だったが、阪神は
村山実さん、
江夏豊、バッキー、
上田次朗と先発投手がそろっていた。ただ、攻撃陣の主力が
遠井吾郎さん、
藤井栄治さん、
吉田義男さん、
鎌田実さん、
カークランドあたりで、
田淵幸一さんが入るまでは長打力のある打者があまりいなかった。どちらかと言えば小粒で点が取れない打線だった。
だから、われわれは阪神と戦うときには・・・
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