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二死二塁、二遊間へのゴロが二塁審判に当たった場合、その後の得点は認められる?

 

二死二塁で打者は二遊間へゴロを打ちましたが、二塁塁審の足に当たり、打球は一、二塁間へ反転しました。二塁手はこれをつかみ本塁を狙った走者をアウトにしようと本塁へ送球しましたが大きく逸れ、走者は本塁を踏みました。この得点は認められますか。

 得点は認められません。得点した走者は二塁に戻され、打者は一塁に出塁となります。

 規則5.09は次の場合にはボールデッドとなり、走者は1個の進塁が許されるか、または帰塁すると定めてあり、その(f)項にこう記されています。

「内野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者または審判員に触れた場合、あるいは内野手(投手を除く)を通過していないフェアボールが、審判員に触れた場合――打者が走者となったために塁を明け渡す義務が生じた各走者は進む」

 問題のケースは後段に相当し、一塁が空いていますから、二塁走者には塁を明け渡す義務は生じないため、元の二塁に戻されるのです。

 安打を規定している規則10.05(a)の(5)に基づいて打者には安打が記録されます。

「野手に触れていないフェアボールが、走者、審判員の身体または着衣にフェア地域で触れた場合。ただし、走者がインフィールドフライに触れてアウトを宣告されたときには、安打は与えられない」

 07年6月17日の楽天-横浜の交流戦(フルキャスト)で、このプレーがありました。2回裏の二死二塁で、楽天の嶋基宏が二塁手の左に打った当たりが二塁の塁審に当たり一、二塁間へ反転しました。横浜の仁志敏久二塁手が捕球して本塁へ送球しましたが横に大きく逸れ、二塁走者の中島俊哉が一度は本塁を踏みましたが、規則5.09(f)を適用されました。嶋には安打が記録され、中島は二塁に戻され、二死一、二塁で試合再開となりました。
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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