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本誌編集長コラム

黒田の“男気”

 

 ヤンキースから8年ぶりに広島に復帰した黒田博樹が大きな注目を浴びている。メジャーに残留していれば最高で20億円にもなると言われた年俸を蹴り、4億円を提示した広島への出戻りを選択。「プロ野球人生をスタートさせたカープでもう一度プレーしたかった」と、その“男気”が称賛されているが、その投球は日本球界にさまざまな影響を与えそうだ。

 2月16日の復帰会見では「日本でまたプレーさせてもらうことになり、自分がアメリカで学んだいろいろなことを言葉だけではなく、さまざまな形で伝えていきたい」とコメント。それは何も味方に対してだけではない。「対戦相手だったとしても、投げながら伝えることはできるのではないかと思う」と黒田は言い、さらに「それが今後の日本の野球界に少しでもプラスになるのであれば、それは自分にとってうれしいこと」と続けた。

 狭い視点ではなく、球界全体を考える、こういった考えにも“男気”があふれているように感じる。広島を24年ぶりの優勝に導くだけではない。自らのプレーで、日本球界のレベルアップを促す。黒田の復帰は、日本球界にとって大きなターニングポイントとなる。
野球の風

野球の風

週刊ベースボール編集長の編集後記。球界の動きや選手に対して編集長が思いをつづる。

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