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揺るがぬ心

 入団3年目、攻守に代えの利かない重要なピースとなっただけでなく、精神的にもチームを支えている。6月3日の日本ハム戦(札幌ドーム)から始まった今季最長の9連敗中、普段は敗戦後に多くを語ろうとしない男が「自分たちにやれないとは思わない。明日ですよ、明日」とナインの気持ちを代弁した。

 チームがどんな状態にあろうと、自分の役割に集中する。地に足が着いているから心が揺らぐことがない。6月に入って、月間チーム打率が.222と下降線をたどる中で、ただ一人.381と高打率をマーク(6月15日現在)。「1年目に初めて一軍に上がったときと同じ。毎日、必死にプレーしているだけ」だと強調する中に、精神の安定がある。

 首位争いを演じた、序盤戦の勢いの中でも「ファンの盛り上がりは感じますが、僕は勢いとか特に感じないですよ。チームにも大きな変化はありません。やるべきことができているから勝てている」と冷静な目で現状を見つめていたのが印象的だ。

 まだ、先が長いシーズン、さらなる苦難が訪れることもあるだろう。しかし、常に変わらぬ態度で野球と向き合う男の存在はチームの救いだ。

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