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“木鶏”への道

 6月15日現在、前田健太と並ぶチーム2位タイの5勝をマーク。しかし、5月16日の巨人戦(東京ドーム)から1カ月、白星から遠ざかっている。

 ルーキーである。開幕から2カ月半を過ぎて肉体的にもきつく、勝ちがつかないことで精神的にもつらい時期にあるに違いない。6月14日のロッテ戦(QVCマリン)では5回3失点ながら11安打を浴びた。「あれだけ打たれて、恥ずかしいし情けないし、みじめだったけど、マウンドに立っている以上、逃げるわけにはいかない」。その言葉どおり、現状に逃げずに立ち向かい、乗り越えなければ広島の再浮上もない。

 そのロッテ戦後、野村謙二郎監督は投手陣に向けて「委縮するな」とゲキを飛ばした。5月8日のヤクルト戦(神宮)の6回にタイムリーを浴びるまで、得点圏に走者を背負って26打数無安打に抑えていた。当時の「打者一人ひとりに集中して勝負していくだけ」というシンプルな思考を忘れつつある右腕へのメッセージでもある。

 座右の銘とする“木鶏”の境地には、まだ遠く及ばない。しかし、ファイティングポーズを取り続けることが今、右腕に求められている。

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