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 野村監督は前半戦を終えた感想を述べた際、「リーグを代表する上位打線になった」と攻撃陣を評価した。“上位”と限定した点に層の薄さに悩むチーム事情が見て取れるが、打線の一部分だけでも攻撃の形を十分に作ることができるという手応えがあるからこそ出た言葉でもある。“上位”はさらに限定される。二番・菊池涼介、三番・丸佳浩、四番・エルドレッドの3人を指したコメントであることに間違いない。「キク(菊池)と丸が成長してくれている」

 野村監督が目を細める1989年度生まれの同級生コンビの活躍が前半戦は見て取れた。不動の四番・エルドレッドは、決して安定しているとは言えない。しかし、2位・ゴメス(阪神)に9差、リーグ断トツの80打点をマークできているのは、「エルドレッドの前で、2人のうちどちらかは塁に出よう」と誓い合う2人のチャンスメーク能力があるからこそ。昨季、打率.247だった菊池は前半戦を終えた時点でチームトップの.317、打率.312を打つ丸は58四球を奪い、出塁率・423を誇り、いずれもリーグトップだ。

 2人が後半戦もぶれることなく、チャンスメークに徹することができれば、チームの攻撃面の上昇要素が増すことはあっても、マイナスが生じることは決してない。首位を走った序盤戦のころのように、一、五、六番に人材がそろってくれば、真の“リーグを代表する上位打線”となる。その算段もキクマルコンビがあるから成り立つのだ。2人はもう、チームに欠かせない存在となった。

写真=前島進、湯浅芳昭、小山慎司、井田新輔




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