44勝61敗と交流戦でパ・リーグに完敗。セ・リーグ首位だったDeNAが交流戦で最下位、2位だった巨人も11位に沈み、大混戦の引き金となった。前半戦終了時点で首位から最下位まで4ゲーム差と、過去最小だった73年セの6.5ゲーム差をも上回る大混戦。この状態から抜け出し、ペナントを手にする球団は……。野球評論家の篠塚和典氏がカギとなる“数字”をピックアップし、大混戦の行方を予想する。 取材・構成=鶴田成秀 写真=BBM カギは投手陣にあり!
連勝すれば連敗し、上位が負ければ下位が勝つ――。前半戦は、こうした流れになっていました。だから、首位を走るチームが出なければ、下位に沈むチームも出ない。どのチームも勢いに乗り切れず、混戦の展開となっています。
なぜ勢いに乗れないのか。それは、チームがベストな状態ではないのが一番の理由。投打ともに主力がケガをしたり、不調に陥ったり。メンバーを固めらないので、連勝したとしても勢いを維持できません。
固定できないというのが顕著に表れているのが先発投手陣です。セ・リーグ6球団を見ると、しっかりと先発ローテを固定できているチームは巨人と
広島くらいでしょうか。前半戦で先発投手を務めた人数を見ると巨人が8人、広島が9人。ほかの4球団は、10人以上と固定されていないのが分かります。さらに前半戦で10試合以上に先発した投手数は、巨人と広島の5人が最多。5、6人でローテを回すので、ほぼ固定できたといっていいでしょう。
先発投手陣の勝敗に目を向けると、広島が34勝28敗の貯金6でトップ。次いで巨人が33勝30敗で貯金3。単純に勝ち数だけみても、この2チームが1、2位となっています。ただ、これがそのままリーグ順位に結びついていないのは救援陣の差でしょう。
山口鉄也、
マシソン、
澤村拓一と、7回以降の投手陣が整備されている巨人に対し、広島は固定できてない。当然、先発が好投しても、2番手以降が失点すれば勝てません。また、DeNAや
阪神は先発陣が安定していなくても、先発投手が降板後に逆転勝ちを収めている、ということになります。
これが、冒頭に話した「連勝すれば連敗し、上位が負ければ下位が勝つ」という流れの一因ではないでしょうか。つまりは・・・
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