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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

アピールプレーとはなに?また、どのようなケースでアピールが必要になる?

 

前号(10月2日号)のルール教室では、「ベース空過はアピールプレーである」という趣旨の解説がありました。そもそもアピールプレーとはなんですか。

“アピール”は野球規則の用語の定義の2に「守備側チームが、攻撃側チームの規則に反した行為を指摘して、審判員に対してアウトを主張し、その承認を求める行為である」と定められています。

 また、“アピールプレイ”について定めた5.09(c)には「次の場合、アピールがあれば走者はアウトとなる」として4つのケースについて触れられています。

(1)「飛球が捕らえられた後、走者が再度の触塁(リタッチ)を果たす前に、身体あるいはその塁に触球された場合」

(2)「ボールインプレイのとき、走者が進塁または逆走に際して各塁に触れ損ねたとき、その塁を踏み直す前に、身体あるいは触れ損ねた塁に触球された場合」

(3)「走者が一塁をオーバーランまたはオーバースライドした後、ただちに帰塁しないとき、《一塁に帰塁する前に》身体または塁に触球された場合」

(4)「走者が本塁に触れず、しかも本塁に触れ直そうとしないとき、本塁に触球された場合」

 ただし、守備側にこれらのアピールする権利がいつまでもあるわけではなく、「投手が打者へ次の1球を投じるまで、または、たとえ投球しなくてもその前にプレイをしたりプレイを企てるまでに行なわなければならない。イニングの表または裏が終わったときのアピールは、守備側チームのプレーヤーが競技場を去るまでに行なわなければならない」と決められています。ちなみに“競技場を去る”とは、フェア地域を離れたことを意味していて、それ以前に守備側チームがアピールしない限り、審判員が指摘してくれるわけではないので、試合はそのまま続行されます。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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