今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。おかげ様で、まもなく通算3500号を迎える。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 『プロ野球の重役選手〜内職からみた花形選手の生活と意見』
今回は『1960年1月20日新春特別号』。定価は10円上がった40円で、センターカラーは石原裕次郎と
巨人・
藤田元司、
長嶋茂雄で『男の友情』だ。センターグラビアの『ペダルも軽やか』では巨人・
王貞治が実家の中華料理屋『五十番』の手伝い。自転車にまたがっての出前姿もあった。
本文巻頭は『キャプテンのなり手がいない』。巨人・
広岡達朗が「主将返上」を申し出た。理由は
「1年間、主将を務めたわけだが、すべての責任を主将にかぶせる、形式だけの主将ではむしろないほうがいいと思っている。勝てばともかく、負ければ一人で責任をかぶらなければならない主将というのではおもしろくない」
新春特別座談会は2つ。まず『1960年のプロ野球を語る』はパ会長・中沢不二雄、セ会長・鈴木竜二、大洋・
三原脩監督。もう1つは『ことしも20勝を!』で大洋・
秋山登、巨人・
堀内庄、大毎・
植村義信、阪急・
米田哲也、国鉄・
北川芳男が登場だ。
興味深い記事があった。『プロ野球の重役選手〜内職からみた花形選手の生活と意見』。当時は珍しくなかったオフの副業の話だ。
大毎の山内は「
山内和弘織物株式会社」の社長。
国鉄の
金田正一は「バー」、近鉄の
関根潤三が「喫茶店ブランタン」の経営者など。西鉄・
川崎徳次監督が炭鉱事業に投資し、大損した話もあった。
『黒眼鏡の打者』では主人公の江川が今度は巨人・水原監督と会うらしい。なんだかきな臭くなってきた。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM