プロ初勝利を完封で飾り、うれしさ余ってウイニングボールにかぶりつくパフォーマンスを見せた黒木
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1995年6月30日だ。
この年、逆指名のドラフト2位で新王子製紙春日井から
ロッテに入団した
黒木知宏。「
サブローがいるなら、僕はジョニーと呼んでください。ジョニー
ウォーカーの黒木ですから」と明るいキャラクター全開だったが、開幕からは勝ち運に見放されて5連敗と苦しんでいた。
だが、迎えた6月30日の
日本ハム戦(東京ドーム)、ついに初勝利を手にした。しかも、毎回の12奪三振のおまけつきで日本ハムを完封したのだ。「完封してこい、と言って送り出したら本当に完封してしまった。いい度胸をしていますよ」とは
尾花高夫投手コーチ。
黒木はヒーローインタビューでは「これまで長く感じました」と実感がこもり、目にもうっすらと涙が浮かんでいるようにも見えた。だが、インタビュー終わりの合図があると「緊張した!」と素顔をのぞかせ、カメラマンの注文にはウイニングボールにガブリと噛みつくパフォーマンス。ひょうきんな面を見せた。
写真=BBM