いまや絶対的なクローザーとして欠かせぬ存在となっている松井裕樹と、社会人出身のルーキーで、駆け出しのセットアッパーとして奮闘中の高梨雄平。そんな3歳違いのサウスポー2人に、救援の魅力や難しさ、さらにはプライベートも含めてざっくばらんに語り合ってもらう。この対談は年下の松井裕がリードする形となり、思わぬエピソードも飛び出すことに……。 取材・構成=富田庸、写真=川口洋邦 過去の栄光を引きずっている?
──今回は“サウスポー対談”ということで、セッティングさせていただきました。よろしくお願いします。
松井 まあ、サウスポーはあまりいませんからね(笑)。
高梨 そう、消去法でね(笑)。
──まず、松井選手は高卒4年目、高梨選手は社会人出身の1年目と、3歳違いですね。
松井 年齢的には、大学生で言えば「イチヨン」ですよね? 僕が1年の年齢のときに高梨さんが4年生。
高梨 そうなるね。
松井 プロのキャリアでは、逆に僕がヨンイチっすね(胸を張って)。
高梨 ハイ、ここで立場が入れ替わりました(笑)。
──入団前の2人の接点は。
松井 ないっす(即答)。
高梨 いやいや(苦笑)。
松井 あ、共通の先輩がいますね。JX-ENEOSの松本大希さん。年齢はだいぶ上なんですけど、桐光学園高時代の僕の先輩で。慶大からJX-ENEOSに進み、社会人では高梨さんの先輩。3人で何かというのはないんですけど。
高梨 僕は一方的に知っていました。早大時代に「甲子園でめっちゃ三振取ったコが来るらしいよ」という噂話を聞いたんです。でも、僕は来ないでくれと思っていました(笑)。松井君が来てしまうと、僕が投げる場所がなくなるなと。
松井 そうですねえ、なくなっちゃいますね(ニヤリ)。僕は、高梨さんが早大時代に完全試合をしたのは知っていました。でも当時は上投げだったので。横投げになったのは楽天に来てから知りました。高梨さん、今でもこのネタを引きずっている。「オレは完全試合をやったんだ」と。
高梨 引きずってないから!

社会人入り後にサイドスローに転向した高梨。変則投法で生きる道を模索している最中だ
──では、今季のことを聞いていきたいのですが、松井選手はすでに20セーブを超えています。
松井 セーブ数は登板機会の積み上げであり、自分の実力ではないので。恵まれているなという印象です。
高梨 僕は1年目なので、1月の合同自主トレの際に松井がキャッチボールする姿を横目でチラチラ見るだけだったけど、本当に強いボールを投げていました。前から噂には聞いていたけど、それ以上で。普通に投げればそんなに打たれないなと。
松井 マウンドに上がったら、打たれないと思って投げていますんで。その気持ちも結果につながっているのかな。

序盤からセーブを量産してきた松井裕。目標に掲げる40セーブどころか、それ以上を期待できるペースとなっている
──高梨選手は開幕一軍を勝ち取り、4月6日の
ソフトバンク戦[Koboパーク宮城]で新人では一番乗りとなるプロ初勝利を挙げました。
高梨 開幕一軍に入って初勝利。その後、1カ月ほどファームにいて。本当にいろいろな経験をさせてもらっているなというのが感想です。
松井 僕は先輩のピッチングに対してどうこう言える立場ではないですけど・・・
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