同じ高校から史上初 バッテリー1位指名

　世間の反応以上に、松川虎生本人が一番驚いたのは当然だろう。

「1位で名前が呼ばれると思っていなかったので、僕がビックリしています。今は(ドラフトが終わって)ホッとしました」

　同じ部屋で一緒に中継のモニターを見つめていた半田真一監督も「鳥肌が出ました」と驚きを隠せなかった。会見場でDeNA1位の小園健太と松川の登場を待つ報道陣の中からも大きな感嘆の声が漏れたように、今年のドラフト会議の1位指名のサプライズだったことは間違いない。同じ公立高校からドラフト1位で2人の選手が指名されたのは84年の箕島高の嶋田章弘投手(阪神)、杉本正志投手(広島)以来37年ぶりのこと。さらにバッテリーで同じ高校から1位指名は史上初だという。

　ただ、松川は急に出現した、いわゆる“ポッと出”の選手ではない。市和歌山高では1年春からレギュラー。とはいっても最初は捕手ではなく背番号5を背負い三塁を守った。当時から体重は100kg近くあり、上級生顔負けの存在感を示してきた。バットを振ればリストの強さを感じさせる鋭いスイングを見せ、三塁手としても軽快な動きを見せてきた。1年秋からは・・・