
プロスポーツ史上最高額の10年7億ドルでドジャースと契約した大谷。この10年で何度世界一をつかむことができるだろうか
今は「勝つこと」が最優先
ネズ・バレロ代理人は入団会見後のUSAトゥディ紙のインタビューで、すべての始まりは2023年の春のキャンプ中だったと振り返っている。
大谷翔平がオフのFA市場で自分の価値を試してみたいと決め、契約延長交渉には応じないとエンゼルスに伝えたのだ。
「そこから準備が始まった。細心の注意を払い戦略的にシナリオを練った」と言う。17年オフ、大谷がメジャー移籍でエンゼルスを選んだとき、重視したのは二刀流に理解を示し、挑戦する機会を与えてくれることだった。そして、その過程でDH制のア・リーグ球団、気候の良い西海岸の球団が残っていった。
あれから6年、今回、大谷が最も重視したことは「勝つこと」だった。現地時間12月14日のドジャース入団会見で大谷は「野球選手として、あとどれくらいできるかは誰も分からない。ケガを重ねるたびにいつ終わるんだろうっていう不安もあるし、確実に終わりに近づいているというのはある。それまでにやり残したことがないように、勝つことが今の僕にとっては一番大事」と語った。
もともとメディアが本命として絶対視していたのはドジャースだった。常勝球団であり、十分な資金力もある。だが大谷はほかの球団も検討した。最終的に残ったのはジャイアンツ、ブルージェイズ、カブス、エンゼルスだったとされている。この中で編成トップが交渉の事実をはっきり認めたのはブルージェイズだった。
ロス・アトキンスGMはAP通信の取材に「(断りの)電話を取るのは自分のキャリアの中でも一番きつかった」と言う。
大谷がフロリダ州ダンイーデンの同球団のキャンプ地を視察したことも認め、「彼はカナダにも、トロントにも、チームにもとても魅(ひ)かれていた。私の中ではそこは疑いがない。今回のことは球団のみんなが努力した。プロセスは素晴らしく、この位置(最終候補)までこられたのはチームにとっても良かった」と総括している。
最終候補となっていたことで、誤報の憂き目にも遭った。MLBネットワークのジョン・モロシ記者が12月8日、「大谷の決断は間もなく、早ければ今日」、「大谷はトロントに向かっている」とX(旧Twitter)で伝えた。これについて大谷は・・・
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