
支えてくれる方々に勝利を届け、一緒に喜びを分かち合いたい/写真=BBM
1人ではプレーできない
僕たちプロ野球の世界でプレーする選手は、華やかなスポットライトを浴びているように見えますが、陰で支えてくれる方々の存在がなければ成り立ちません。コーチ、マネジャー、トレーナーさん、広報の方など選手の周りでサポートしてくれる方々には、感謝しかありません。たくさん迷惑もかけているので、勝利という形で恩返しができればいいなと思い、いつもマウンドに上がっています。勝利のゲームセットが、全員の努力が報われる瞬間です。裏方さんをはじめ全員で行う勝利のハイタッチは、1人ひとりの目を見てタッチさせてもらっています。今回は、そうしたスタッフの中から、お世話になっているお二人に感謝の気持ちを伝えます。
頼りになるブルペン捕手
定岡卓摩(チームサポーター兼用具担当補佐) 
ヤスアキは大事な場面で登板することが多い。ブルペンから気持ちを高めてもらうように意識してボールを受けるようにしています。「あいつが打たれたらしょうがない」と思わせてくれるクローザーです。いつも「抑えてくれ!」という気持ちでブルペンから送り出しています。できれば3人で……と思っています。
今季からブルペンでボールを受けてもらっているブルペン捕手の定岡さん。朝、球場に行くとニコッと笑顔であいさつしてくれる「兄」のような存在です。一見すると感情が表に出ないタイプですが、内面は勝利に対する情熱がふつふつと湧き上がるかなり熱い人です。
毎日、受けてもらっているのでわずかな変化もすぐに感じとってもらえるんです。直球が
シュート回転していたり、変化球のキレ、ボールの“強さ”など変化はすぐに分かるようです。僕は変化が出やすい投手のようで、セーブ機会でない場面だと、自分自身にそんなつもりはなくても(出力が)落ちているようです。そんな試合では「今日は気持ちが今一つだったね」とハッキリと言われてしまいます。そうした細かな変化を感じられるアンテナは本当にすごいと思います。
こちらからピッチングの相談をすると、的確なアドバイスをもらえます。僕のポジションはどんな形であれ「0」に抑えればOK。シーズンを通して調子の悪い日も当然ある。思い描いたボールで、きっちりと3人で締めることができる試合もあれば、“バランス”で投げるときもある。そういう日は、ブルペンで定岡さんに「バランス重視でいきます!」などとやり取りをしています。
口数は少ないし、クールな方ですが、ブルペン全体がよく見えています。僕のことを理解してくれる人が近くにいるのは本当に心強い。マウンドに上がる準備という面では、かけがえのない存在です。いつもありがとうございます。
最高のパフォーマンスを引き出してくれる
四角純哉(一軍チーフアスレティックトレーナー) 
体に瞬発力があってバネのある投手なので、それを引き出せるように考えています。いつも彼のほうからいろいろコミュニケーションを取ってくれますね。夏場にパフォーマンスが落ちやすいのは本人も自己分析できているので、それをサポートしていきたいです。
主にグラウンドレベルのコンディショニングを担当する四角さんです。選手のウォーミングアップ、室内でのウエート・トレーニング、パフォーマンスダウンを防ぐトレーニングなどを指導していただき、常に僕らのことを気にしてくれています。選手個人でメニューをやるのは限界があるので、知識やノウハウを教えてくれたり、体の動き方を学んでいます。実際にケアをするわけではないのですが、トレーニングや体のメカニズムについてアドバイスをくれる存在ですね。
シーズンは長いです。ときには体が動かず、自分で鞭を打ってトレーニングをやるときもあります。そんなときに「つらい時期のために、今頑張ろう」と背中を押してもらえる。そうした何気ない一言に救われています。「動きがよくなっているね」と積極的にコミュニケーションをとられる方で、夏場には「こんなものを食べるといいよ」と食事についてもアドバイスをしてくれます。
シーズン中は家族より多くの時間を一緒に過ごすので、プライベートの話もよくしています。娘さんがいらっしゃるので、成長を写真で見せてもらったり、お互い好きな洋楽の話をしたり。四角さんはじめ、トレーナーの方々がいるからこそ、9回のマウンドでパフォーマンスが発揮できていると強く思っています。
自分では気づかないところでもよく見てくれているので、動きが悪かったりすると、「変化があった?」と声をかけてくれる。それによって自分自身の変化に気づくことができる。マウンドに上がってしまえば投手の責任ですが、それまでのフィジカル、雰囲気をつくってくれるトレーナーの方々には感謝の一言に尽きます。
PROFILE 山崎康晃/やまさき・やすあき●1992年10月2日生まれ。東京出身。178cm85kg。右投右打。帝京高、亜大を経て、2015年ドラフト1位で
DeNA入団。1年目からクローザーに抜てきされ、新人シーズン記録となる37セーブを挙げ、新人王にも輝いた。18年には日本人史上最速、入団4年目で100セーブに到達、最多セーブ投手賞のタイトルも獲得した。武器は150キロ超のストレートと鋭く落ちるツーシーム。ニックネームは“ハマの小さな大魔神”