パの2位・ソフトバンクが圧巻の強さでセの王者巨人相手に4連勝し日本一に。過去、セが優位にあった日本シリーズの勝敗もついに35勝35敗の五分となった。果たして巷間でささやかれる「パはセより強い」は本当なのか。歴史編の前回に続き、今回はデータを検証してみる。 
日本シリーズでソフトバンクに4連敗し、意気消沈する巨人ベンチ
パの時代は2003年から
1975年にパ・リーグでDH制がスタートした。単純に考えれば、一番打てない投手の代わりに、守れなくても走れなくてもまったくかまわないから、四番並みの打力がある選手を加えることもできる。チームの打力アップは間違いない。
ただ、これによって極端にセ、パの打撃差が生まれたわけではない。導入前後数年の数字でいけば、パ・リーグは74年が打率.247、680本塁打、75年が打率.254、703本塁打、76年が打率.256、659本塁打と確かに向上傾向はあるが、セ・リーグも74年の打率.249、826本塁打から75年が打率.252、747本塁打、76年が打率.265、967本塁打と、むしろ伸び率は大きい。以後も年によって違いはあるが、パの打撃が常にセを超えていたわけではない。それでもパでは守備に難がありながらも打つだけならすさまじい助っ人大砲や、アキレス腱痛を抱え、「歩いてかえるのはこれしかない」とホームランに徹底的にこだわった南海・
門田博光など、DH制があってこその打者が打線に重厚さを与えていった。
巨人・
原辰徳監督には申し訳ないが、加えるなら、DHがあるからパが強くなったというわけでもない。日本シリーズの対戦結果は、黄金時代の
西武がいたことで80年代はパの分がよかったが、90年代はセの時代だった。決してDH誕生によってパの時代が到来したわけではない。
異論があるかもしれないが、パの時代が本格的に始まったのは・・・
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