佐々岡真司監督2年目のシーズン。スタートは一進一退だったが、5月に新型コロナ禍がチームを襲う。直後の交流戦は最下位に。ただ、春先から若手が経験を積めたという副産物はあり、後半戦は戦力がかみ合って猛烈な追い上げを見せた。それでもAクラスには届かず、4位にとどまった。 [2021年成績]※成績部分の()内数字はリーグ順位 63勝68敗12分 勝率.481
557得点(3)、589失点(5)、打率.264(1)、80失策(5)
123本塁打(4)、68盗塁(3)、防御率3.81(5)

チームがコロナ禍に襲われた直後の5月18日のスコアボード。「特例2021」で一、二軍16人のメンバー入れ替えが行われた
進んだ若手への切り替え
スタートは、右ヒジ手術から開幕に向けて調整してきた
大瀬良大地や、2019年のトミー・ジョン手術を経て復活を目指してきた
高橋昂也も4月中に勝利を挙げ、一進一退ではあったがまずまずの流れで来ていた。
ところが、5月17日、チームを激震が襲う。
菊池涼介、
小園海斗、
正隨優弥の3選手が新型コロナウイルス陽性判定を受けたのだ。チームは独自の判断で自宅待機とした選手を含め、「特例2021」で一、二軍計16人の入れ替えを行って18日の
巨人戦(東京ドーム)に臨んだが、2対7で敗戦。その後も
鈴木誠也、
九里亜蓮、
長野久義と主力に陽性判定を受ける選手が続出、戦力が整わないまま交流戦に向かうことになった。
果たして交流戦は、苦戦の連続となった。18試合を戦ったが、先発投手が1勝もできないという異常事態で、3勝12敗3分けの最下位と惨敗。交流戦開始時点ではリーグ4位だった順位も、交流戦終了時点では最下位に転落していた。
ただ、このコロナ禍も手伝っての副産物もないわけではなかった。一、二軍の入れ替えが多く行われたことにより、多くの若手選手が春先からチャンスを与えられ、一軍で経験を積むことになったからだ。
開幕前の構想では主力に計算されていた一塁手の
クロン、遊撃手の
田中広輔、三塁手の
堂林翔太が不振、さらに捕手の
會澤翼も故障がちでフル出場が難しい状況となったが、代わりに
坂倉将吾が捕手と一塁手の掛け持ちで、小園海斗が遊撃手で、
林晃汰が三塁手で定位置をつかみ、捕手の
石原貴規も出場機会を増やした。
クローザー栗林が新人王
交流戦以降は5位、6位での戦いが続いたが、明るい話題となったのは、新人でクローザーに指名された
栗林良吏だった。3月27日の
中日戦(マツダ
広島)にプロ初登板で初セーブを挙げると、そのまま無失点投球を続け、これまでの新人の開幕からの連続試合無失点記録「13」を大きく更新する「22」を記録した。
後半戦に快記録を作ったのは、主砲の
鈴木誠だ。9月3日の
ヤクルト戦(東京ドーム)から9日の中日戦(マツダ広島)にかけ、プロ野球記録にあと1試合と迫る6試合連続本塁打をマークした。
9月に入ると、
床田寛樹、
玉村昇悟らの左腕が安定感を増し、大瀬良、九里、
森下暢仁の右の三本柱と合わせて先発が固まって、チーム力が上がってきた。9月には鈴木誠が野手部門で、床田寛樹が投手部門で月間MVPを獲得。チームは9月下旬と10月前半に6連勝を2度記録するなど、4位に浮上すると、調子を崩した3位の巨人に急接近、残り5試合の時点までクライマックスシリーズに望みをつなぐ戦いを見せた。それでも最終的には届かず、4位で3年連続のBクラスに終わった。
鈴木誠は打率.317、出塁率.433で2冠。坂倉将吾が打率.315でリーグ2位に入った。投手陣では、九里が終盤に追い込み、13勝で自身初タイトルとなる最多勝を獲得。栗林は新人最多タイ記録となる37セーブに到達し、新人王に。
シーズン終了後、鈴木誠がポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦の意向を表明。チームは新たなフェーズへ進む可能性が出てきた。
躍り出た次世代ホープ 小園海斗

小園海斗[内野手] #51
上位打線で積んだ経験3割まであとヒット1本 悔しさを乗り越え、レギュラーをつかんだ。2019年は新人ながら後半に先発出場を重ねたが、20年は出場3試合。「覇気がない」と指摘され、21年春は一軍キャンプにも呼ばれず。それでも田中広輔の不振で4月下旬から先発起用されるとヒットを連発、やがて三番、その後は二番と上位打線で奮闘を続けた。初の規定打席にも到達し、もし最終打席でヒットを打っていれば打率3割の活躍。打率3割の課題は22年に持ち越したが、もう定位置は放さない。
C担が選ぶ 2021のターニングポイント 小園5安打、坂倉決勝打、大瀬良勝って反攻態勢整う

9.24@横浜
このときチームは最下位に沈んでいたが、この日は相手の先制点もすぐはね返した。3回表にまず同点とすると、坂倉将吾がセンターへ勝ち越し適時二塁打。さらに5回表には小園海斗が2号2ランだ。小園はこの日、5打数5安打。
西川龍馬も3安打2打点で、打線は着々加点し9点。投げてもエースの大瀬良大地が約1ヵ月ぶりの勝利。ここからぐいぐい調子を上げていくことに。大瀬良、小園、坂倉、西川と、終盤の快進撃を支えるメンバーが活躍し、態勢が整った。ここから6連勝が始まり、チームは3位に向けて怒とうの追い上げを見せていく。
2021基本布陣