世紀のトレードに翻ろうされながらも底力を見せた。
木佐貫洋が怒とうの1年間をまっとうした。昨年1月、
オリックスとの交換トレードで自身3球団目へ移籍。
日本ハムからは糸井が交換要員という主力ばかりの2対3の超大型トレードに巻き込まれた1人だった。春季キャンプイン直前のバタバタの中での再出発になったが、地に足を着けてマウンドを守った。最下位に低迷したチームの中でトップタイの9勝8敗。堂々の数字をマークした。
9月10日のオリックス戦(札幌ドーム)。古巣との一戦で3年ぶりの2ケタ勝利をかけて臨んだが、自滅で逃した。それでも充実感に少しは浸ることができた。「良い球団、良いチームメートに恵まれた」。若手主体の先発陣の中で奮闘し、エース格とも言える働き。自ら及第点を与えフィニッシュした。
赤い縁で結ばれたかのような新天地だった。亜大時代に注目されていなかったころから熱視線を送ってくれていたのが日本ハム。当時、山田GMが潜在能力を買って「隠し玉」として指名する青写真を描いていた。4年時にブレークしたため、
巨人へ自由獲得枠で入団した経緯があった。木佐貫は「今、思えば同じチームになるなんて不思議ですね」
来季で12年目。中堅から完全にベテランの域に突入し、円熟期を迎える。個人成績にはある程度の充足感はあっても、チーム成績に呼応しなかった現実には不完全燃焼の思いがある。「来年は3倍返しで」。人気ドラマ『半沢直樹』のフレーズをアレンジして、決意のオフを過ごしている。巨人、オリックスを経て津軽海峡を渡った流浪の野球人生を、さらに豊かに育んでいく。