指揮官の叱咤激励に応え、一回りたくましくなった。
石川雄洋がキャプテンに就任し、迎えた2年目のシーズン。失意の二軍落ちから這い上がり、久々にAクラスを争ったチームを引っ張った。
シーズンが始まったばかりの5月下旬だった。交流戦で
ソフトバンクと戦った博多の地で、中畑監督の口から次々と厳しい言葉が飛び出した。「すべての練習をちんたら、ちんたらとやっている。キャプテンの肩書きを取ってもいい。気を使わせている時点で選手として落第」。批判の矛先は石川だった。
春先は好調だった打撃の調子が下降気味になり、ベンチ内の佇まいや練習態度が指揮官の逆鱗に触れた。ただ、もともと感情を表に出すタイプでもない。自身のプレースタイルと指揮官の求めるキャプテンとしての理想像とのギャップが、二軍降格へとつながった。
当初は無期限での降格だったが、石川の復調は早かった。打撃も上向き、二軍首脳陣の推薦もあって6月8日に一軍のグラウンドに戻ってきた。早速同日の
オリックス戦(横浜)で先発メンバーに名前を連ねると、いきなり3安打をマーク。心身ともに吹っ切れたかのように、グラウンド上で暴れた。
お立ち台に呼ばれると「優等生になれるように頑張ります」と春先の出来事を連想させる言葉で観客の笑いを誘い、守備ではファウルゾーンへと体を投げ飛ばして打球を追った。これまでクールな印象が強かった石川に、がむしゃらさや泥臭さといった新たな魅力が加わった。
来シーズンもキャプテンとしてチームを引っ張ることが決まった。左胸に貼り付けられた「C」マークの重みをかみしめ、悲願のクライマックスシリーズ進出を目指す。