不完全燃焼に終わった昨季のリベンジへ向け、調整は万全だ。
野上亮磨は首脳陣から「先発の中で、キャンプからずっと一番状態が良い」と評価され、早々に開幕ローテーション入りを勝ち取った。
昨季3勝9敗に終わった原因を「直球の精度が悪かった。特に生命線である低めへのコントロールが、全体的に浮いた」と自己分析。その反省を基に、自主トレから今一度、投球フォーム安定の徹底を図った。中でも、特に重点的に意識したのが、「力の入れどころ」だという。投球の一連の流れで、“0、8、10”と力を入れていくのが、自らのイメージだと、その感覚を説明する。力強い直球を投げたいからといって、最初から力むのではなく、逆に“脱力”の状態から徐々に力を入れ、最後、腕を振り切ったときにMAX状態に持っていくイメージで投げることで、リリースの瞬間に力がしっかりとボールに伝わるようになった。
「“リラックス”や“脱力”という言葉の本当の意味が理解できるようになりました」
投打で、最も大事と言われる「力を抜く」ことを覚え、確かな成長を実感。また、昨季の終わりから使い始めたフォークもさらに精度を増し、シーズンインへの手応えは十分だ。
今季求めるのは「最低でも2ケタ勝利」。「やってもらわないと困る」と、森、土肥両投手コーチがハッパをかければ、本人も「去年の分もやらないと」と雪辱を誓う。4年ぶりAクラス入りのために、背番号20の活躍が必要不可欠だ。