
再び輝くため、バットを振り続ける長谷川勇
ある日は球場で、ある日は室内練習場で。プロ13年目のキャンプをB組(二軍)で送る
長谷川勇也は、取り憑かれたようにバットを振った。自主練習のティー打撃。約130球が入るケースを1日8箱分、打つ。キャンプ中のノルマを2万スイングに設定した。「何とか超えられるように」とひたすらに打ち込み、その場に倒れ込む。
若手のようなフォーム固めが目的ではない。「フォームはこれまでいろいろやってきたんで。『無』になって打つため、ココイチの場面で無心で打つために、歯を食いしばってやる」と語る。1月の自主トレから同様の取り組みを続けている。
2014年オフに右足首の手術、その影響を隠せないままやってきた。再手術を受けて臨んだ昨季は55試合に出場し打率.287、5本塁打、20打点。17年から出場機会を増やし、切り札として代打での打率.296をマークしたが不完全燃焼だった。3年契約が終了し、年俸2億円から野球協約が定める減額制限(1億円超は40%)を超える50%ダウン、1億円プラス出来高の1年契約でサインした。
右足首の状態を考慮されランニングメニューは免除。その分、打つことに充てている側面もある。トスを上げるのは金星根(キム・ソングン)コーチングアドバイザー。韓国で複数球団の監督を務めた名将とのコンビは夕刻まで続く。外野のレギュラーは
柳田悠岐、
中村晃、
上林誠知で堅い。だが、怪気炎を上げる13年首位打者&最多安打男のバットから目が離せない。
写真=BBM