
ファンも京田との高速併殺プレーに酔いしれた
鮮やかなバックトスが技術の高さを物語っていた。4月10日の
巨人戦(ナゴヤドーム)。今季初めてスタメン出場した
三ツ俣大樹は2回、間一髪のタイミングだったにもかかわらず、難しいプレーをさらりとやってのけ4-6-3の高速併殺プレーを完成させた。
昨年は一軍出場ゼロ。今季も開幕一軍を逃した。しかし、守備力は一軍でも十分通用するレベル。ウイークポイントだった打撃も向上し、4月9日に今季初昇格を果たした。もともと「バッティングの自信はなく、守備で頑張っていきたいと思っていた」ほど。その分、守りには自信を持っていた。
その土台は徹底した基礎練習で培った。
オリックス入団直後、二軍でこれでもかというほど、地道な練習に汗水流した。股割りに始まり、正面のゴロ捕球……。おろそかになりがちな練習を、時に顔をゆがめながら徹底的に行うことで、技術を磨いていった。
修徳高時代は投手兼遊撃手。エースだったことからも分かるが、本業は投手だった。「ピッチャーだったから、高校時代はあこがれの野手はいなかった」。プロに入ると、高い野球センスを買われ、野手として生きていくことになった。
守る際に、何よりも重要視することは「球際の強さ」だという。「ゲームになれば、どんな状況であっても、ピッチャーが打ち取った当たりはアウトにしないといけない」と口元を引き締める。二塁、遊撃はもとより、三塁守備もこなせる。チームにとって、本当に貴重な存在だ。
写真=BBM