
来季は規定投球回に達して、2ケタ勝利異状がノルマだ
「エースになってほしい」
契約更改の席で球団側からはっきりと期待を伝えられた。「野球面も、練習態度も、きちんとやらなければいけないなと、気持ちが引き締まる思いです」。22歳右腕も、その言葉を重く、真摯に受け止めた。
5年目の今季、
高橋光成は初の10勝を挙げた。一昨年、昨年と故障に泣き、苦悩の日々を過ごす中で飛躍の糸口を模索してきただけに、それを乗り越えての2ケタ勝利の価値は絶大だ。9月に右ヒジの故障で戦線離脱したが開幕から先発ローテーションを守り、21試合で先発登板。途中、カード頭も任されるほど首脳陣の信頼を得た。
「防御率も4.51と悪いですし、野手の方に打っていただき、中継ぎの方に投げていただいたおかげですが、どんな形であれ10勝できたことで自信になりました。9勝と10勝の違いは絶対にある。それは、実際にやってみないと分からない部分だと思うので、“こんな感覚”というのが経験できたことは、もう1個上のステージに行くためにも、すごく大きかったです」
チームで2ケタ勝利は12勝の
ニールと高橋光の2人のみ。来季は周囲も「先発の柱」と見るだろう。つまり、開幕投手の最有力候補の1人ということだ。
「(開幕で)投げたいとは思いますが、それよりも1年間投げ切りたい気持ちのほうが強い」と本人は謙遜するが、エースへの期待に応えれば自ずと巡ってくる舞台だ。誰もが「開幕は光成しかいない」と認める存在になるべく、充実のオフシーズンを過ごす。
写真=BBM