
一軍を完走した長谷川
多くの「初めて」を終えて、充実したシーズンになっただろう。
ソフトバンクから加入した高卒4年目左腕、
長谷川宙輝は今季、チーム3位タイの44試合に登板。多くの貴重な経験を積んだ1年だった。
「1試合、1球が経験につながっていると思う。打たれても下を向くのではなく、切り替えとかを勉強しました。自分のスタイルを1年間貫き通せたと思います」
スターダムを駆け上がっている。昨年までソフトバンクで育成選手だった長谷川。入団から3年を経て自由契約となり、幼少期からあこがれだった
ヤクルトのユニフォームに袖を通すことに決めた。東京・小平市出身の左腕は「より一層頑張りたいです」と地元での活躍を誓っていた。
6月19日の開幕戦(対
中日、神宮)で2番手としてプロ初登板を果たすと、同25日の
阪神戦(神宮)では1点を追う9回から3番手として登板し、1回を無失点。その裏に
西浦直亨がサヨナラアーチを放ってプロ初勝利を手にし「忘れられない初勝利になりました」と汗をぬぐった。
長谷川にとっては一軍の球場や雰囲気、遠征時の移動などすべてが初体験だった。それでも「少しでもうまくなりたいという思いで練習していました」という育成時代の気持ちを忘れず、毎日努力を続け、今春のキャンプからシーズン終了まで一軍にフル帯同。7月17日の
広島戦(マツダ広島)では、自己最速を1キロ更新する154キロをマークするなど新天地でも進化を続けている。
チームは2年連続で最下位。チーム防御率4.61も2年連続で12球団ワーストと、投手陣が課題であることは変わらない。今季の経験をさらなる成長の糧とし、来季は勝利の方程式入りを目指す。
写真=BBM