
今季、最多勝を獲得した涌井
華麗に復活を遂げたシーズンとなった。2019年オフ、
ロッテから金銭トレードで
楽天に加入した
涌井秀章。移籍1年目は20試合に登板し11勝4敗。
西武、ロッテ時代に続き、史上初めて3球団で最多勝のタイトルを獲得した。
通算勝利数は歴代51位となる144勝まで伸ばした。プロ野球史上49人目の通算150勝まで、あと6勝に迫る。自身4度目の最多勝を獲得したにことついては「新しい環境で野球に集中できた」と振り返った。
ただ、節目の記録については多くを語らなかった。その背景には、尽きることのない向上心があるのだろう。プロ入り直後には「50歳まで現役」を目標に掲げた。「当時は冗談で言ったんだろうけど、一つの高い目標として。それはずっと活躍していたらできると思う。普通に40歳で終わるとは思ってない」。
2021年に35歳を迎える。一般的にはベテランと呼ばれるような年になったとしても、目指すところはまだまだ先にある。道半ばにして足跡を振り返るのは、まだ早いと思っているのかもしれない。
一方で、通算投球回は2445回2/3まで伸びた。史上47人目となる通算2500投球回まで、あと54回1/3に迫っている。今年は120試合制で過密日程の中、チーム最多の130回を投げた右腕は「チームとしては4位という悔しいシーズンでしたので、来年も1年通してローテーションを守り、チームの優勝に貢献できるように頑張ります。そして、またこのタイトル(最多勝)を獲りたいです」とコメントした。
宣言どおりに年間を通じた活躍を見せれば、勝利数でも投球回でも、あっさりと大台を突破するはず。球史に残る記録も、通過点に過ぎない。
写真=BBM