打でも成長を見せている
まさに大爆笑だった。開幕戦となった3月26日の
日本ハム戦(
楽天生命パーク)。試合後、勝利投手となった涌井と一緒にお立ち台に上がった
辰己涼介が、地元ファンの爆笑をかっさらった。
初回の先頭打者本塁打の感触を問われると「前回(登板のオープン戦で)涌井さんが炎上したので、どうしても先に点を取ってあげたい気持ちがありました」と真剣な表情でコメント。場内から笑いが起きると、続けて「涌井さんも炎上したことで不安だったと思う。なので、僕にアドバイスをくださってありがとうございます」と語り、さらなる笑いを誘った。
涌井は開幕前の最終登板となった
ヤクルトとのオープン戦(神宮)に先発し。4回途中8失点でKOされていた。右腕はお立ち台で先にその事実に触れていたのだが、辰己の容赦ない「涌井いじり」で、球場は笑いで包まれた。
兵庫県生まれで、普段から「お笑い」に貪欲だ。目立ちたがりで、芸人に例えるなら「ボケ担当」。茂木が「ふざけてますよ」と言えば、同期入団の小郷も「面白いです」とニンマリ。大先輩である涌井にも遠慮なく突っ込んで、チームの盛り上げ役になっている。
もちろん、野球に懸ける思いは真剣だ。本塁打を打った際などには、テレビカメラの前で必ずユニフォームの左袖部分にある「がんばろう 東北」というワッペンを指さす。今季は東日本大震災から10年の節目なる。チームを、そして東北を盛り上げるために全力を尽くす。
写真=BBM