
ルーキー・野村勇は、足を生かして攻守走すべて斬り込んでいく
ルーキーでただ一人、開幕一軍をつかみ取った。25歳、ドラフト4位の野村勇。「まず、メンバーに入ることができてうれしいです。キャンプからここまで途中離脱はあったけど、しっかりとアピールができたと思う。開幕一軍は始まりに過ぎないので、ここからチームの優勝や勝ちに貢献できるようにやっていきたい」と喜びをかみ締めた。
開幕一軍までの道のりは決して平たんではなかった。春季キャンプA組(一軍)スタートを果たしたが、中盤に右前腕部に張りを訴えた。守備に制限がかかる中、「一番自信がある」と胸を張る50メートル走5秒8の俊足でアピール。対外試合初戦となった2月22日の
西武との練習試合(アイビー)では代走で2盗塁。キャンプ後に一時はファーム調整を行い、オープン戦の後半から一軍に再合流した。
ここから見せつけたのはパンチ力だった。3月13日の
ヤクルト戦(神宮)に一番で出場すると、オープン戦1号ソロを含む3安打2打点。5打席で4度も出塁し「打撃面では積極的に振っていけた」と笑った。19日の
広島戦(PayPayドーム)でも好投手の
森下暢仁から2号ソロ。「自信になった」と表情を緩め、球団16年ぶりの新人開幕スタメンも視野に入っていた。
二塁、三塁、遊撃と内野の複数ポジションをこなし、代走での起用も可能。使い勝手の良さから戦略上、開幕カードでのスタメン起用はなかったが、25日の
日本ハムとの開幕戦(PayPayドーム)では代走でプロ初出場を果たした。開幕一軍は“序章”に過ぎず、シーズンでの活躍を誓った。
写真=内田孝治