4大学から13人が受講観客動員増への企画を立案

4月6日、法大市ヶ谷キャンパスで「東京六大学野球ゼミナール」の開講式が行われた。基調講演では早大OBの小宮山悟氏[元ロッテほか、写真中央]が、ゼミ生13人へ活動指針を示した
東京六大学野球連盟は加盟6校に在学する2016年度の3年生を対象とした「東京六大学野球ゼミナール」を開講した。昨年11月28日、受講希望者46人に対する説明会が行われ、最終エントリー(全6校)から書類選考、今年1月の面談を経て、2月に13人が決定。ゼミ生の内訳は早大、東大(1人辞退)を除く4大学で構成される。4月6日、法大市ヶ谷キャンパスで開講式が行われた。
同ゼミナールの趣旨は「東京六大学野球」を題材としたスポーツビジネスを学ぶ場だ。昨年、結成90周年を迎えたが、すでに100年へ向けた動きを開始。6校のOB会会長による「六考会」から任命を受けた各校OB・OGがプロジェクトチームを結成。同ゼミナールもその活動の一環だ。
開講式での基調講演では同連盟・内藤雅之事務局長が観客動員の視点から、連盟90年を時代区分した。
「第1期黄金時代は早慶戦復活(連盟結成の1925年秋)から戦前にかけてで、第2期は戦後、神宮球場が接収解除された昭和20年代後半から昭和35年秋の早慶6連戦。その後、高田さん(繁、明大)、星野さん(仙一、明大)、ら群雄割拠の時代がありますが、江川さん(卓、法大)が在籍した昭和49年から52年までのほうが、はるかにお客さんは多かった。つまり、ここが第3期。斎藤選手(佑樹、2007〜10年)が在籍して盛り上がりましたが、黄金期と比べれば程遠い。第4期黄金時代が到来するように、良いアイディアを期待しています」
ここ数年、観客数が増えている要因として、「学生席」(かつては学生証提示が必要)を「応援席」とし、一般のファンへも“幅”を広げた効果が大きい。ただ、内藤事務局長は言う。「応援はリーグ戦の原点で、六大学は対抗戦の集合体。ですから、各校の学生が母校を応援するのが理想の姿」と訴えた。
神宮の“文化”である応援から目を向けさせる
神宮の“文化”である応援から目を向けさせると、昨年9月に他界した石井連藏元監督とのエピソードを披露。愛着が強いからこそ、活動指針を示した。
「試合以外の部分で、どんな運営がされているのか、自分の目で(神宮を)見ないことには始まらない。プロより厳しい規制の中でも、良い雰囲気の六大学にしてほしい。これも石井監督の言葉ですが『一生懸命やる、は使うな』と。毎日取り組んでいたら、口から出るセリフではない」
背筋を伸ばしたゼミ生の一人、明大・坂内悠紀君は決意を口にした。
「昨秋まで10回、明大応援席で観戦しましたが、六大学の応援は楽しく、一つの文化。いかに、足を運ばせるかが課題。スポーツに興味のある学生は多いはずなので、大学全体で盛り上がるような企画を出していきたい」
今春から秋にかけて、平日に計10回の講義。講師には東京六大学の野球部OBの各業種から10人が担当する。リーグ戦開催中の土、日のいずれかも活動し、17年1月には同連盟へ企画書の提出とプレゼンを実施する。企画が通った3年時の施策を、4年春のリーグ戦で実際に運営。秋には2年間の活動を踏まえ、12月に修了発表を行う。東京六大学野球を通じて得た学びを、各自の社会人としての活動に生かす足がかりとするのが目的。そして、将来的にさまざまな職場から“恩返し”するのが、最高の形だ。(取材・文=岡本朋祐)