
スポニチ大会は予選リーグ1勝2敗で準決勝進出を逃したが、古謝監督[背番号60]にとっても収穫は大きかった/写真=井田新輔
5度目の出場目指し「悲願達成」へ着々と準備
「東京ドームで1勝を」
沖縄電力の合言葉だ。これまで都市対抗野球の本戦には00年に初出場して以来4度、全国舞台に駒を進めているものの、すべて初戦敗退。昨季は九州地区二次予選の代表決定戦でホンダ熊本、西部ガスに連敗するなど、14年を最後に4年間、東京ドームから遠ざかっている。もちろん、実力は九州でも折り紙付きで日本選手権には2大会連続で出場しているが、昨年は1回戦のホンダ鈴鹿戦で1対10の大敗。就任4年目の古謝景義監督(沖縄大)も「自信を持って臨んだだけにショックだった」と振り返る。しかし、この敗戦を機に「全国で勝つためには攻守のすべてをもうひとつ上のレベルにしなければいけない」とチームは巻き返しを図ることに。そして、練習を重ねるなかで特に変わっていったのが、選手一人ひとりの意識だという。
「守備練習で気の抜けたプレーをしたら、そこに走って行って注意をするくらい選手間で厳しく言い合えるようになりました。緊張感があるなかで、集中して練習する雰囲気になっているんです」
投手陣が崩れても打ち勝てるようにするため、バッティング練習ではピッチャーをかなり前に出し、708メートル程の至近距離から投げさせた。打線の中軸を務める13年目のベテラン・金城長靖(八重山商工高)は「遅めの球でも体感速度が速くなるので、タイミングを早く取る感覚を養うことができました。効果は出始めていると思います」と話しており、今季のオープン戦では「チャンスにたたみかける攻撃ができるようになった」(古謝監督)と言う。
我慢強い守りと反撃が期待できる打線
迎えた3月のJABA東京スポニチ大会。予選リーグ初戦のホンダ戦では2点のリードを奪われたが、3回表に反撃開始。二死走者なしから相手のミスをきっかけに満塁と攻め立て、四番・平良大悟(糸満高)の適時打などで同点とすると、続く金城長はライトスタンドへ3ランを放り込み、勝ち越しに成功した。ただ、5回裏に先発の内間敦也(コザ高)がノックアウトされると、代わった狩俣穏(沖縄国際大)も悪い流れを止められず、打者13人の猛攻で8点を奪われ、6対10で敗れた。
試合後、古謝監督は「内間敦はストライクゾーンにボールが集まってしまい、狩俣も高めに浮いた球が多かった」と敗因を語ったが、一方で「昨季なら10点を取られたら、もつれるゲームにすることができなかったのでチームに粘りが出てきた」と成長した点も挙げた。また、ルーキー組では3番手で登板した
知念大成(沖縄尚学高)がスリークオーターとサイドからボールを投げ分け2回無失点の好投。佐喜眞拓哉(沖縄大)は初マスクで盗塁を刺すなど守備力の高さをアピールした。
続くスバル戦は1対6で敗れたが、最終戦は知念大、内間敦の好リレーと宮國汰都(宮古高)の一発などで4対2とNTT西日本を下した。1勝2敗で予選リーグ敗退となったが「今後も我慢強く最少失点に抑える守備と、失点しても取り返せる打線を求めていきたい」と古謝監督。悲願達成のためにも、まずは記念大会で枠が一つ増える都市対抗の出場権獲得を目指す。(取材・文=大平明)