無死走者一塁です。打者は一塁ゴロを打ちましたが、一塁手はこの打球をトンネルし、その後方に立っていた走者に当たりました。この場合、一塁走者はアウトになるでしょうか。 審判の判断に任されます。規則7.09は打者または走者によるインターフェアについて述べていますが、ペナルティは「走者アウトとなり、ボールデッドとなる」です。
問題の場合は7.09(k)に該当します。そこには
「野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、フェア地域で走者に触れた場合」とあります。その場合は走者アウトになるのですが、同規則には続きがあり、(2)にこう記されています。
「1人の内野手(投手を除く)に触れないでその股間または側方を通過したフェアボールに、すぐその後方で触れても、この打球に対して、他のいずれの内野手も守備する機会がない場合には、審判員は走者が打球に触れたという理由でアウトを宣告してはならない」とあります。
また、
「しかし、内野手が守備する機会を失った打球(内野手が触れたかどうか問わない)でも、走者が故意にその打球をけったと審判員が認めれば、その走者は、妨害(インターフェア)をした理由でアウトの宣告を受けなくてはならない」ともあります。
審判の判定に任されるとはこの点を指しているのです。
04年7月4日のメッツと
ヤンキースの交流試合でこのプレーがありました。8回表走者一塁で、ヤンキースのカイロが打った一塁ゴロがメッツの一塁手ピアッザの股間を抜きましたが、打球はすぐ後ろに立っていた走者のポサダに当たってしまったのです。
このとき一塁塁審のクーパーはポサダにアウトを宣告しました。理由はメッツ二塁手のウィギントンはすぐそばに位置しており、打球がポサダに当たらなかったら、打球を処理できたからです。