名参謀勇退の影響が早くも出てしまった。
横浜高が14日、秋の県大会3回戦敗退(対慶應義塾高)。しかも8回
コールド敗退(1対8)と、名門校としては受け入れ難い現実だった。
長年、渡辺元智監督と二人三脚で指導してきた小倉清一郎コーチが8月末限りで横浜高のユニフォームを脱いだ。今秋のドラフト上位候補である
淺間大基、髙濱祐仁の2人に、渡辺監督の孫・佳明ら現在の3年生が引退する今夏を一区切りにするとは、以前から言ってきたことだ。
2人には明確な役割分担があった。渡辺監督は選手の心のケアを含めた精神面、小倉監督は技術指導のすべてを任されていた。さらに「小倉メモ」と呼ばれていた、同コーチが作成した対戦校のデータ分析は、試合において大きな『戦力』となっていたのは、あまりに有名なエピソードである。
勇退から約2週間で、あまりに厳しい現実を目の当たりに。渡辺監督は敗因の一つとして、小倉コーチ不在を否定しなかったという。
同じ日に今夏の甲子園に出場したライバル・東海大相模は快勝。右腕・吉田、左腕・小笠原と来年ドラフト目玉の2投手がおり、秋の高校野球界をリードしていきそうな勢いだ。
横浜高の来春のセンバツ出場は絶望的。神奈川をリードしてきた「横高」がこのまま終わるわけにはいかない。甲子園通算51勝(歴代3位タイ)の名将・渡辺監督の一冬をかけた再建から目が離せない。(岡本)