8月26日から4日間、メットライフドームで行われる第44回全日本クラブ野球選手権大会。週刊ベースボールONLINEでは、同大会にまつわるさまざまな情報や知られざる秘話を『JABA公式サポーター』が日替わりで発信していきます。本日は豊島わかなさんです。 ケガを乗り越えて

マツゲン箕島硬式野球部・和田拓也
「正直不安がありました。昨年は2人で一緒に投げてきて、今年は1人でやらなくてはならない。頼る人も、ライバルとなる人もいない環境でした」
と、マツゲン箕島硬式野球部のエース・和田拓也投手(京都学園大)は、ともに切磋琢磨し、昨シーズン限りで引退をした寺岡大輝投手のことを振り返りました。
寺岡投手が抜けた穴を埋めるよう、オフシーズンに入ると何かを変えたい一心で食事の量を増やし、ウエートトレーニングを追加。球速を上げることを中心に考えて、自分がチームを引っ張っていかなくてはというプレッシャーと闘っていたそうです。
「それが結果的に空回りしてしまい、左肩をケガしてしまいました」
と当時を話す表情には、悔しさがにじんでいました。
ケガの影響もあり、5月、6月と投げられない日々が続いたとき、和田投手はもう一度原点に返って自分自身を振り返るようにしたそうです。
「それまではチームのためにも良い球を投げなくてはと力んでいたところがありました。投げられないときは正直ブルーな状態でしたが、あのときの自分にできたことは治療に専念をすること。投げられない期間があったことで初心に帰ることができました」
大会期間中、投げられなかった時期があったことを感じさせない、テンポの良いピッチングを披露した和田投手。OBC高島との決勝戦では、5回表で橋本風哉外野手に左前打を浴びるまでノーヒット。打線の後押しもあり、7回
コールド勝ちで2年ぶりの優勝となりました。
和田投手個人としては、大会で最も活躍した選手に送られる最高殊勲選手賞を受賞。この好調の裏には、毎日欠かさず書いている「ポジティブノート」と名付けられた日記の存在があったそうです。
「その日の練習で自分の良かったところや気になったところを書いています。そこには目標も書いていて、今年は2勝してMVPになると書いていました。目標が達成できて、今は本当にうれしいです」
ケガの苦しみを経て、自分自身を冷静に分析できるようになった和田投手の日本選手権での活躍が楽しみです!
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PROFILE

左から豊島わかなさん、田中優美さん、若菜奈津美さん/写真=BBM
とよしま・わかな●1986年12月14日生まれ。愛知県出身。ニックネームは「豊ちゃん、わかちゃん」。趣味は昼寝、特技は書道。
たなか・ゆみ●1992年5月21日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「ゆーみん」。趣味は動物とたわむれる、特技は脚が柔らかいこと。
わかな・なつみ●1990年10月24日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「なっちゃん」。趣味も特技もダンス。