
開幕戦に勝利し、森友哉(左)とバッテリーでお立ち台に上がった高橋
初めての開幕投手で見事に勝利をつかんだ。3月26日の
オリックス戦(メットライフ)、
西武の先発マウンドに上がった
高橋光成は7回1/3を7安打、2失点。力のあるストレートとキレ味鋭いフォークのコンビネーションがさえ、7回までは先頭打者を出さない投球を見せ、四球を与えない制球力も光った。4対3の勝利に貢献し、試合後のヒーローインタビューで「本当にうれしい。緊張しないかなと思ったけど、緊張していて、いつもよりブルペンで球数多く投げてしまいました。でも、1球投げたら落ち着いたので、そのままいいリズムで行けたかなと思います」と笑顔を浮かべた。
辻発彦監督は常々、「まだ、ウチのチームにエースはいません。力があれば誰がなっても構わない」と言うが、大黒柱の位置に最も近いのは高橋で間違いないだろう。昨季はチームで唯一、規定投球回に到達。8勝8敗と貯金をつくることはできなかったが、シーズン後半の9、10月は5勝2敗と好成績を挙げた。9月8日のオリックス戦(メットライフ)では8回までノーヒットノーラン投球を続けながら、9回先頭打者に安打を浴びて大記録を逃したが、続く3人をきっちり抑え完封勝利。精神面での成長も顕著だった。
ただ、まだ課題があるのも確かだ。開幕戦では6回
吉田正尚、7回
頓宮裕真にソロ本塁打を浴びた。いずれも二死からで辻監督は「2アウトを取ってからのホームランは絶対にダメだから。今後の投球に生かしていかないといけない」と反省を促した。さらに高橋自身は8回を投げ切れなかったことを悔やんだ。「回の途中で代わってしまって、中継ぎの方に迷惑をかけてしまったので、次は絶対にイニングを投げ切りたいと思います」と自覚をにじませた。
次回登板は4月3日の
ソフトバンク戦(PayPayドーム)が予想される。日本シリーズ4連覇中のチームに対して高橋は昨季、3試合に先発して2勝0敗、防御率1.98と好成績をマークしている。「負けない男に慣れるように頑張ります」と誓う高橋が、開幕戦の反省を生かして、どのようなピッチングを見せるか楽しみだ。
文=小林光男 写真=古賀恒雄