もともと悪い予感があった
悪い予感が当たってしまった。巨人・菅野智之の離脱だ。
別にあと出しジャンケンじゃないよ。
4月9日の
広島戦を見たあとのコラムで「昨年に比べ、少し回転し過ぎて右肩が詰まっている。要は右ヒジが背中側に入ってしまい、出がスムーズじゃなかった」と書いた(
週べ4月26日号)。
俺は、このままでは肩かヒジの故障もあるかも、とも思ったし、そう書いた。
冗談で「お節介かもしれないが、原監督にメールしちゃおうかな」とも書いたが、本当にそうしておけばよかったのかな……。
オーバースロー、特に速球派が肩、ヒジを故障しづらいフォームというのは、テークバックを取ってトップをつくったとき、ヒジの位置が肩より高いことが重要になる。
今年の菅野は、昨年からの新フォームで上半身をひねった際、昨年よりもヒジの位置が奥まで入り、もともと低かったヒジの位置もなかなか上がってこなくなった。しかもトップの位置というのは、まだ上半身はリ
ラックスしていなきゃいけないのに、ここで無駄に力が入っているために球がばらけていた。
投手も打者もそうだけど、トップはすごく大切だ。ここが決まらないとボールに抑えが効かず、高めに浮くし、肩、ヒジへの負担も大きくなる。
グラブと上体を先にひねって、そこから足を上げていく菅野の新フォームが悪いというわけではない。今年はさらにためをつくろうという意識があったのかな。ひねりが大きくなり過ぎ、そのあとの上半身と下半身のバランス連動性も悪かった。下半身に対し、上半身が遅れるのは別にいいのだが、遅れ過ぎて打者側へのスムーズな体重移動ができず、無理やり腕を出そうと体が一塁側に逃げ、開きも早くなっていた。
いずれにせよ、いつかは故障の可能性があると思っていた。ヒジの状態は分からないが、これをいい休みと気持ちを切り替え、しっかり治し、フォームも修正して帰ってこいよ。
まだ、シーズンも序盤。巻き返しのチャンスは十分ある。
写真=BBM