とにかくコントロール──この考え方が、プロ野球からワインドアップモーションの投手を駆逐してしまった。 なるほど大きいフォームで全身を使って投げるワインドアップは、球威は増しても、微妙な制球力はつけにくいフォームだ。 しかし、このフォームは、ナルシストである投手たちの美学と別ちがたく結びついている。これを投手から奪ってしまえば──。ワインドアップ時代の魅力と楽しさを振り返ってみた。 「ピッチャー・堀内(恒夫)、“マウンドで伸びをするようにして、大きく振りかぶって”投げました。アッ、田淵(幸一)打ちました。打球は高〜く舞い上がって、レフトへグングン伸びております。入るか、入るか、入りました。30号ホームランです!」
1970年代前半の
巨人-
阪神戦のラジオ放送を再現したつもりなのだが、傍点部分(“ ”内)がミソである。投手はマウンドでグンと伸び上がり、グラブを頭上高くかかげ、そこから足を高く上げ、全身をバネのようにして、グ〜ンと投げ込む、これが当時のプロ野球の投手だった。走者がいなければ、まず例外なく、このワインドアップモーションで投げた。下手投げ投手は、地面をはうような腕の使い方で投げるのだから、「頭上高くかかげ」る必要はないのだが、
山田久志(阪急)も
足立光宏(阪急)も、まず、グラブを頭上にかかげてから、投球に入った。
このワインドアップモーションは、上手投げの投手にとって、体の反動をフルに使えるのだから、球威という点では最高のモーションなのだが、それとは別に・・・
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