自ら進んで──思いもかけず──さまざまな理由があったにせよ、今季、ユニフォームを変えて一からのスタートを切る男たちがいる。不遇に耐え、新天地に立った今、どんな役割を求められるのか。復活へのカギはどこにあるのか。 写真=BBM
埼玉西武ライオンズ/脇谷亮太[内野手] 
▲ち密な野球復活のキーマンは、打力アップでレギュラー定着も目論む
指揮官が標榜する“ち密な野球”の適合者 突然の電話だった。「息子(長男・紘央君)が生まれてお参りに行っていたんです。ちょうど、家族写真を撮っていたときに球団から電話があり、西武に行ってほしい、と。『ああ、そうなのか』と思いましたね」。脇谷の14年は片岡のFA移籍に伴う人的補償で
巨人から西武へ移籍するという大きな転機から始まった。
西武は昨季2位とはなったが、黄金期のような“相手のスキを突く、ち密な野球”があればもっと白星を積み重ねられたのも事実。巨人のヘッドコーチ時代から脇谷のプレーを知る伊原新監督が期待する役割は、攻守にわたりその“ち密な野球”を復活させるキーマンになることにほかならない。終盤の大事な局面においても内野ならどこでも任せられる守備力もある。
脇谷も「巨人時代、毎晩、伊原さんが行っていたミーティングの内容は覚えています。1点をしっかり取る野球で、機動力を重視している。僕自身も機動力を使う選手、その期待に応えたい」と闘志を燃やす。
「バントや進塁打、犠牲フライなど自己犠牲ができる選手になるべく、キャンプではその辺りを一から練習です」と監督の狙う野球をグラウンドで描く腹積もりだ。
レギュラー定着への課題はやはり打撃だろう。勝負強さには定評があり、昨季も開幕戦で
広島の今村から決勝2点タイムリーを放つなどビッグゲームには強い。しかし若手の台頭もあり、3度ファーム落ちを経験するなど浮沈の多いシーズンであったのも確か。.244にとどまった打率を.280以上にまで上げることがスタメン定着には必要だろう。
「バッティングは課題として自主トレから重点的に練習してきました。ボールを叩き潰すイメージで強い打球を打つことを意識してキャンプでも取り組んで行きます」と脇谷はさらなる打力アップを誓う。
すでに伊原監督は浅村をセカンドで起用する構想を公言しているが、控えで終わるつもりはさらさらない。
「ポジションよりもこだわりたいのは144試合フルで出場すること。どこであろうと監督に言われたポジションを全うすることです」
激戦であるショートの定位置争いもあるが、新外国人ランサムの調子いかんではサード起用もあり得る。右ヒジの大ケガを乗り越えた昨季、育成からはい上がって開幕スタメンを奪ったハートの強さも、チームに多大な好影響を与えるはずだ。
オリックス・バファローズ/谷佳知[外野手] 
▲2000安打まで79本。今季中の達成の可能性も高い
オリックス・バファローズ/ペーニャ[外野手] 
▲13年は不本意な成績に終わったが、故障も癒え、本領を発揮する
チームに新しい風を吹かせる怪力助っ人とベテラン外野手 オリックスに頼もしい怪力助っ人・ペーニャと経験豊富なベテラン外野手・谷佳知が加わった。
マリナーズやレッズなどメジャー5球団でプレーしたペーニャは、メジャー通算84発を誇る右の長距離砲。
ソフトバンクでは来日1年目の12年に21本塁打をマークするも2年目の昨季は打撃不振に陥り5月に登録抹消。7月に右ヒザ半月板の鏡視下手術を行うと9月に再び昇格を果たしたが、55試合で打率.233、1本塁打、16打点に終わり、オフにはソフトバンクからの退団が発表された。
一方、オリックスでは得点源の四番・
李大浩と五番・
バルディリスが退団。大砲候補が欲しいオリックス側と現役続行を望むペーニャ、両者の思惑が一致して入団が決まった。宮古島キャンプ中のフリー打撃では、さっそく持ち前の怪力を発揮。左翼後方のブルペンの屋根に穴を開ける推定150メートルの大飛球を放ち、「ブルペンを破壊してしまった経験はないよ……。シーズン中もこれくらいのバッティングができればいいね」といたずらっぽい笑みを見せた。
ソフトバンクではナインからの信頼も厚く、明るいキャラクターでベンチを盛り上げていただけに、オリックスでもチームにプラスの雰囲気を与えてくれることは間違いない。
一方の谷は8年ぶりに古巣復帰。1997年からの2006年までの10年間、オリックスのユニフォームを着てプレーしており、その間に盗塁王、最多安打のタイトルを1回ずつ、ベストナインは5度、ゴールデングラブは4度、表彰を受けている。巨人では移籍初年度の07年に打率.318をマークし、チームの5年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献したが、ここ最近は若手の台頭で出場機会を得られず昨季は自己最少の13試合にとどまった。
二軍スタートとなった宮古島キャンプでは「今は・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン