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変化球特集2016

球史に残る伝説の変化球の握りを探る

 

長嶋を恐れさせたカミソリシュート


シュート・ツーシーム歴代操り手TOP3
平松政次(大洋/写真)
西本聖(巨人ほか)
黒田博樹(広島)


平松の握り


 右対右、左対左であるが、打者の内角に食い込み、時に死球ともなる“危険な変化球”。ヒジへの負担が大きいと言われ、イメージ的には、やや陰のある球種だった。

 第一人者は、握りを縫い目に置かず、肩をやや早く開くことだけで150キロ超のシュートボールを投げた大洋・平松政次。その“カミソリシュート”はストレートより速く、浮かび上がるとも言われ、巨人・長嶋が大の苦手にした。平松に故障が多かったことで「シュートは逆方向にひねるからヒジに悪い」という説が長くあるが、人間が腕を振ると、ひねるシュートを投げるときと同じ内旋の動きとなり、体の開きが速い投手の球は自然とシュート回転する。東映、巨人のサイドハンドで投球の半分がシュートだったという高橋善正は、「オレは中学時代にヒジを壊して、シュートしか投げられないから投げるようになった。人間の体の構造から言ってスライダーのほうがヒジに悪いはず」という。平松が痛めたのも実はヒジではなく、肩。確かにヒジに悪いというのは俗説かもしれない。

 80年代になって巨人・西本聖が速く変化の少ないシュート、大きく曲がるシュート、落ちるシュートなど複数を駆使。変化だけでなく、打者の体近くを攻めまくる強気さで、特に日本シリーズなど大舞台に強かった。引退後、ずいぶん経ってから取材で握りを尋ねた際、「それは僕のメシの種」と言って明かさなかった、こだわりのシュート職人だ。

 その後、シュートピッチャーは減ったが、メジャーからツーシームが伝わり、シュート代わりに使う選手が増える。フロントドア、バックドアを駆使する黒田博樹(広島)がその代表だ。ただ、本誌のバックナンバーに掲載された写真を見ても、多くのシュート投手たちがツーシームの存在を知らずに同じような握りをして投げている。2つは同系統の球と言ってもいいかもしれない。

最大の落差を誇る竜のレジェンド


フォーク・スプリット歴代操り手TOP3
杉下茂(中日/写真)
村田兆治(ロッテ)
佐々木主浩(横浜)

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