ここぞ、の場面でコールされると、一瞬で球場が興奮状態になった。“代打の神様”と呼ばれ、首脳陣、そして虎ファンから絶大の信頼を寄せられた男が挙げたのは、バッターとして節目となった試合だった。 取材・構成=岡部充代 
現役後半は代打の神様と呼ばれ、阪神ファンの圧倒的な支持を受けた
本物の代打になるために
プロ入りしたのは昭和ですが、18年の現役生活の大半は平成の時代でした。前半は主にレギュラーとして、後半は代打が中心になりましたけど、印象深いのは後半ですね。
特に思い出に残っているのは1998年5月(13日)に金沢であった
中日戦です。2対2の9回表、ツーアウト一、三塁の場面で代打に出て、
山本昌から決勝タイムリーを打ちました。2ストライクを取られてから、ストレートを何球かファウルして、狙っていたシンカー……昌の場合はスクリューですかね、そのボールを打ったんです。
キャッチャーは谷繁(
谷繁元信)でしたから、僕がスクリューを狙っていると分かってストレートを続けていたんでしょう。
でも僕は、振り遅れてもファウルにする自信がありました。粘るうちに谷繁か山本昌が・・・
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