優勝の喜びを知っているからこそ、もう一度味わいたい。そしてそれ以上に、まだ見ぬ日本一を見てみたい。20年間、スワローズのユニフォームを着ているから誰よりもチームへの愛情は深い。石川雅規の信念と覚悟は、誰にも曲げられない。 投打がかみ合って優勝を果たした2015年。石川雅規や小川泰弘の姿も見える
慢心なき41歳
何年経(た)っても、マウンド上での姿は変わらない。石川雅規は、プロ20年目を迎えた。2002年に自由枠で入団してから
ヤクルト一筋。酸いも甘いも知るベテランは、6年ぶりのリーグ制覇と悲願の日本一という高い頂を目指している。
今季はオープン戦で結果が出ず、開幕はまさかの二軍スタート。4月16日の
阪神戦(甲子園)で今季初登板を迎えたが翌17日に出場選手登録を外れると、その後はなかなか一軍での登板機会はなかった。イースタン・リーグでは7試合で1勝1敗、防御率0.32。好結果を出し続け、声が掛かるのを待っていた。
モチベーションを保つことは決して容易ではなかった。だが、家族の励ましもありながら「前向きに」と自身を鼓舞。そして、6月4日の
西武戦(神宮)で5回3安打1失点と好投し、大卒選手としては史上最長となる20年連続勝利を達成した。「ユニフォームを着て野球ができているという幸せは年々感じますし、目の前の試合に必死に取り組んできた結果が20年目。振り返るのはまだ早いとは思いますけど、毎日できることを必死にやるのが大事だと思います」。また新たに歴史に名を刻んだ瞬間だった。
チームを、球界を代表する投手となっても、フレッシュな気持ちを忘れない。「ユニフォームを着ている以上は目の前の1勝、一軍で戦力になることが大事。まだまだやれるという気持ちはありますけど、やりたいからやれるような世界ではない。しっかりと結果を出さないといけない」。実績を積み重ねても・・・
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