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鯉爛漫 やっちゃろうやあ!

広島・進撃の先導者たち 【投手編】

 

野手編に続いて、ここからは開幕から勢いをもたらした投手陣を紹介したい。いいときも悪いときも試合をつくり続けるエースを筆頭に、さまざまな思いを胸に持ち味を存分に発揮する、鍛え抜かれた精鋭たち。そして、先輩たちに続けと、若き力も台頭を見せる。
【野手編はこちら】
※シーズン投手成績は4月21日現在

大瀬良大地「『あの人ならやってくれる』、そう思われるのがエース」


大瀬良大地(9年目/187cm88kg/右右)
[シーズン投手成績]4試合2勝1敗、26回2/3、21奪三振、防御率3.38


自分に求められること

 やるべきことは変わらないが、年々、自らに課せられた責任の重さを感じている。「カープのエース」と呼ばれるようになって、その名に恥じないように先頭に立って走り続けてきた。思うような結果が残せなかったり、ケガなどで戦列を離れることもあったが、懸命に、ひたむきに。もちろん9年目の今季も、誰よりも強い責任感を胸にマウンドに上がっている。

 4年連続4度目の開幕投手のマウンド(3月25日のDeNA戦=横浜)では、どこかいつもと違う右腕の姿があった。7回途中3失点(自責2)でチームを勝利に導いたが、試合後には務めた大役について「重ねさせてもらえばもらうほど責任感だったり、緊張感というのがすごくて、これまでの3回(3年)なんて比にならないぐらい緊張した」と本音を漏らした。

 それでも、しっかりと自分の空気感でマウンドを支配する。それは開幕戦に限った話ではない。登板4試合はすべてクオリティースタート(6投球回以上で自責3以下)。試合をつくれている1つの指標だ。とは言え、「最低限、ゲームはつくれているけど、求められているところはそこじゃない」と、きっぱりと口にするのは、やはりエースとしての責任からにほかならない。

「僕が投げるところは勝たないといけない試合だと思う。(カード)頭で起用してもらうことは責任を持って投げないといけない」

 エースとは――。これに対しては、右腕はこう答えた。「実績はもちろん、人として尊敬できることが大事」。そして、「マウンドに立ったときに『あの人ならやってくれる』と思われる、信頼度のある選手」。だからこそ、常に上を上を目指している。

 オフシーズン、昨季中に取得した国内FA権を行使することなくチームに残留することを決めた会見の席では「考えれば考えるほどカープに対する愛着だったり、そういったものがどんどん強くなってきた」とチームへの思いを口にしている。今季からは選手会長にも就任し、グラウンド外でも尽力。どんなときもチームのために、結果で示す――。右腕は、ますます頼もしくなる。

森下暢仁「全球種しっかり投げられないと勝負はできない」


森下暢仁(3年目/180cm78kg/右右)
[シーズン投手成績]4試合2勝1敗、26回、15奪三振、防御率4.50


 マウンドではもちろん、発せられる言葉からも先発の一角を担う者の強い覚悟がにじみ出る。右腕にとっては、「まだ」ではなく「もう」3年目ということなのだろう。「自分がもっともっと、ピッチャー陣の先頭に立って」。そのために、個人としてのレベルアップも欠かさない。「全球種しっかり投げられないと、勝負はできない」。全球種が武器ならば、どんな状況下でも対応できる。

 今季も開幕から3戦目までは見事に試合をコントロールし、打っても7打点と大活躍を見せる。とはいえ、4月17日の中日戦(マツダ広島)のように打たれることもある。自己最短2回で自己ワーストの8失点。この悔しさを糧にして、本当の意味でチームの「柱」となっていく。

中崎翔太「チームの力になることが一番」


中崎翔太(12年目/186cm101kg/右右)
[シーズン投手成績]10試合1勝2敗5H0S、9回2/3、6奪三振、防御率4.66


 3連覇を支えた元守護神の復活は、皆が望むものだった。佐々岡真司監督も「その力が必要になってくる」と名指しで奮起を期待。抑えの栗林良吏へのつなぎ役として、勝負どころでの経験豊富な右腕の存在は大きな戦力だった。「チームの力になることが第一」。シンプルながらもその言葉に込めた思いは熱い。

 不調にケガ、手術と2019年から苦しい状況が続いた右腕も、今春は3年ぶりに一軍キャンプスタート。オープン戦では最速150キロを超える力強さが光った。1イニングをわずか4球で締めた開幕戦から4月21日現在、10試合はリーグ3位タイの登板数。まだまだ不安定な試合も見受けられるが、間違いなく今季の右腕の投球には気迫がこもっている。

床田寛樹「引っ張っていけるように結果を出さないといけない」


床田寛樹(6年目/181cm90kg/左左)
[シーズン投手成績]4試合2勝0敗、27回1/3、16奪三振、防御率1.65


 大瀬良大地に九里亜蓮、森下暢仁、実績十分な先発の柱に、今季はもう1本加わった。プロ6年目ながら先発左腕では最年長の27歳。となれば、否が応でも自覚と責任は強くなる。「引っ張っていけるように結果を出さないといけない」。

 開幕から3試合は防御率0.90と、右腕3人をしのぐチームトップの安定感。4戦目の4月20日の巨人戦(東京ドーム)も8回途中3失点と試合はつくった。力のある真っすぐに、“魔球”パームボールが打者のスイングを狂わせる。佐々岡真司監督直伝のカーブも投球の幅を広げた。過去2年は計10勝のうち8勝が後半戦だった左腕。今季はこの勢いのまま、目標の2ケタ勝利へ。もうスロースターターとは呼ばせない。

追撃せよ、新戦力たち! 「試合は弱気になったらボールに表れる」(黒原)


黒原拓未(1年目/173cm76kg/左左)
[シーズン投手成績]8試合0勝0敗1H0S、6回1/3、9奪三振、防御率2.84


 開幕の勢いを急降下させないためには、新しい力による突き上げも必要であることは間違いない。野手ではドラフト6位ルーキー・末包昇大が開幕戦でBIGインパクトを残したが、着実に評価を上げてきているのが、同1位・黒原拓未と同5位・松本竜也だ。左と右の違いはあれど、ともにしっかりと腕を振って力強いボールを投げ込んでいく2投手。

 黒原が「試合は弱気になったらボールに表れる」と言動から負けん気を見せれば、松本もピンチにも動じない堂々たるマウンドさばき。前評判どおりの投げっぷりの良さで、狙うはそろって勝利の方程式入りだ。

松本竜也(1年目/180cm87kg/右右)
[シーズン投手成績]8試合0勝0敗0H0S、8回1/3、7奪三振、防御率2.16

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