完全復活の願いは叶わず、ユニフォームを脱ぐ決意をした横田/写真=前島進
誰もが身体能力の高さに魅了され、
阪神の将来を背負う存在と期待を寄せていた
横田慎太郎。2017年2月に脳腫瘍と分かり手術を受けた。そこから必死のリハビリを続け、完全復帰を目指していたが、9月22日、現役引退を表明。球団事務所で会見を行った。
「やっぱり一番に(脳腫瘍の影響で)目のほうが大きいです。自分で打った打球もまったく見えず、ピッチャーに投げてもらう球も二重に見えたり、守備の際にもボールが二重に飛んで見えたり、目がぼやけるということが多かったので、来シーズンこれを続けても厳しいかなと思い、決断しました」と引退の理由を語った。
17年のキャンプ中に目がかすみ、視界がぼやける日々が続いた。診断は「脳腫瘍」で手術は15時間にも及んだ。術後、目がまったく見えず、トイレや食事には両親の介護が必要だった。薬の副作用で頭髪がすべて抜けたときには、
ロッテなどで活躍した父、真之(
横田真之)さんが同じように丸刈りにし、励ました。
7カ月間の闘病を終えた後は、一軍復帰を目指した。18年から育成となり、入団時から4年間着けていた「24」を取り戻すために必死に練習に取り組んだ。それでも、目の状態が上がらず、24歳という若さで現役生活にピリオドを打った。
阪神/外野手 24歳/在籍 2014〜2019年
NPB通算成績 38試合20安打0本塁打4打点4盗塁、打率.190