ドラフト会議、日本シリーズが終わり、本格的な移籍市場がオープンとなった。ここでは球団別に補強戦略の現在地を探ってみる。 情報は10月19日時点 ターゲット候補、去就要注目の人選は編集部。順番は文中の登場順 西武・FA権獲得選手の引き留め
■ターゲット候補 福田秀平(
ソフトバンク)
牧田和久(前パドレス)
松坂大輔(
中日)
■去就要注目 秋山翔吾 十亀剣 FA権を行使する可能性の高い2選手を引き留め、戦力低下を防ぐことがまずは必須事項となる。まずは今季、海外FA権を取得した秋山翔吾だ。10月13日、クライマックスシリーズ・ファイナルステージでソフトバンクに4連敗を喫して日本シリーズ出場が断たれた後、「自分の中ではいろいろ考えることはありますけど、今すぐ言葉にして話すことはない。周囲と相談して考えたい」と話した。
しかし、以前からメジャー志向があり、夢へ挑戦することは濃厚だ。
渡辺久信GMは「球団としての誠意は見せるし、恥ずかしくない数字は出す」と好条件を提示する意向だが、果たしてどうなるか。ドラフトでは8位で外野を守れる
岸潤一郎(四国IL/徳島)を獲得したが、それだけでは秋山の穴を埋めるのは難しい。今年FA権を取得した攻守走の三拍子がそろう福田秀平(ソフトバンク)の獲得調査も進めるというが、背番号55の決断が注目される。
さらに、今年FA権を取得した十亀剣にもヤクルトが熱視線を送っているという。今年は19試合に登板して5勝6敗、防御率4.50に終わったが、クオリティー・スタートは10試合を数えた。リーグ連覇を果たしながら、2年連続チーム防御率リーグ最低に終わった投手陣には欠かせない存在だ。投手力アップのために、パドレスを自由契約となった牧田和久の獲得にも動く。中日を退団した松坂大輔の復帰も視野に入れているが、もしチームに加わったとしてもどれだけ戦力アップになるかは未知数だろう。(小林)
ソフトバンク・福田引き留めに力を注ぐ

一躍、オフの注目の人となってきた福田
■去就要注目 福田秀平
常勝軍団を築き続けるにあたり、主力選手の流出は避けたいところ。今季は
今宮健太、福田秀平、
中村晃の3選手が新たに国内FA権を取得したが、レギュラー2選手に対しては、
柳田悠岐のときと同様、先手を打っている。昨オフの時点で、今宮が年俸2億6000万円プラス出来高払いで年俸変動制の4年契約、中村晃が年俸2億4000万円プラス出来高払いで年俸変動制の4年契約と、ともに大型複数年契約を締結(金額は推定)。球団からの熱意を形として示した。
問題は残る福田。今季もケガなどがありレギュラー獲りには至らなかったものの、代打、代走、守備固めとして活躍した“スーパーサブ”は、一軍戦力として欠かせない存在だけに、チームは複数年契約を提示するなどして残留を強く望んでいる。しかし、「他球団ならレギュラー」との呼び声も高く、福田自身も出場機会を増やすため行使を検討している模様。実力だけでなく、今季年俸3600万円(金額は推定)と人的補償が発生しないCランクにあたることから、行使すれば複数球団による激しい争奪戦が予想される。チームとしては宣言残留を認める可能性もあるが、すでにヤクルト、
楽天などが興味を示しており、日本シリーズ後の動向に注目が集まる。
今回のドラフトで攻守走3拍子そろった
佐藤直樹と内野も守れるユーティリティーの
柳町達という即戦力としても期待される大卒・社会人出の外野手を獲得したが、福田の去就で来季のチーム戦略が大きな影響を受けることは間違いない。(菅原)
楽天・石井GMが三軍制を推進中

功労者・嶋が退団決意。大胆なチーム改革が進む
■去就要注目 嶋基宏 美馬学 楽天の人事往来が例年以上に活発なのには理由がある。その根幹にあるのは、
石井一久GMがシーズン中に明らかにした「三軍制」構想だ。
「来年以降、育成のシステムをしっかりと作っていきたい。今は、育成枠がケガ人を一時的に置くような形になってしまっているが、独自に三軍を作って、試合を経験させたほうが本当に育成の場になる」
その動きは実際に加速している。まず、10月1日、第1次として5選手に戦力外が通告された。そのうち
福山博之、
森雄大、
池田隆英の3選手には育成での再契約が打診された。
また、8日には
今江年晶に対して来季の戦力構想から外れている旨が通告された。今季は右目の異常で戦列を離れることがあり、このことも影響したと見られる。今江は同時にコーチ就任を打診され、いったん返事を保留したが、後日、引退を決め、受諾している。
そして17日にドラフト会議が開催され、支配下7人、育成4人を指名。すると翌日、第2次として新たに6選手に戦力外が告げられた。このうち、
戸村健次と
今野龍太は現役続行を希望。
田中耀飛と
西巻賢二には育成での再契約が打診された。
まだ正式決定に至ってはいないが、正捕手として長くチームを支えてきた嶋基宏が、野球協約が定める減額制限を大きく超えるダウン提示を受け、「戦力に見られていない」と退団を決意。また、FA権を有している選手のうち、美馬学については他球団が調査を進めており、宣言すれば獲得合戦は必至だ。石井GMは大きな痛みを伴うのを覚悟の上で改革を推進している。(富田)